欧州評議会、AIと人権、民主主義と法の支配に関する
欧州評議会枠組条約を採択
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 中 崎 尚
1 はじめに
2024年5月17日、世界初のAI国際条約とも呼ばれるCouncil of Europe Framework Convention on Artificial Intelligence and Human Rights, Democracy and the Rule of Law(欧州評議会 人工知能と人権、民主主義、法の支配に関する枠組み条約、以下「本条約」という。)が、欧州評議会において採択された。2024年9月5日の正式署名、その後の各国による批准を経て、発効が予定されている。
注意すべきは、名称に「欧州」とあるものの、同条約の参加国は欧州に限定されない点である。日本を始め、米国、カナダ、メキシコ、ローマ教皇庁が、起草段階から条約交渉に参加しており、早晩のタイミングでの批准が見込まれている。日本が批准し、条約が発効した段階で、日本政府も締約国としての義務を負うことになるため、間接的に影響を受けることとなる日本国内の事業者もその概要を把握しておくべきである。
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(なかざき・たかし)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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