SH5028 欧州委員会、Meta社の広告モデル「pay or consent」は、デジタル市場法(DMA)違反であるとする暫定的見解を公表 中崎尚(2024/07/24)

取引法務個人情報保護法

欧州委員会、Meta社の広告モデル「pay or consent」は、デジタル市場法(DMA)違反であるとする暫定的見解を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 中 崎   尚

 

1 はじめに

 2024年7月3日、欧州委員会は、FacebookやInstagramを運営するMeta社が2023年11月からヨーロッパで採用を開始した「pay or consent」(個人データを利用するターゲティング広告の削除を希望する場合は、有料プランへの加入を必須とし、加入しない場合は、当該ターゲティング広告への個人データの利用について同意する必要がある)の二択を消費者に迫る広告モデルは、EUのデジタル市場法(DMA)違反であるとする暫定的見解を公表した[1]。この広告モデルについて、消費者団体からは、FacebookとInstagramの広告の削除を希望する消費者に対して、高額な有料プランの利用を事実上強制するものであり、「ターゲティングに個人情報を使用することを受け入れるか、嫌ならお金を払うか」を迫る不公平なものであるとして、苦情申し立てがなされ、これを受けて、欧州委員会が調査を行ってきたものである。

 本記事では、Meta社がこのような広告モデルを採用するに至った経緯[2]を含めた背景事情に触れたうえで、DMAの規制の枠組みおよび当該広告モデルがDMA違反と判断された根拠を概説したうえで、今後の見通しを紹介する。

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(なかざき・たかし)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。

 

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