金融庁、「人的資本開示に対する海外投資家の着眼点及び開示に関する調査」報告書の公表
岩田合同法律事務所
弁護士 國 本 和 希
1 はじめに
人的資本に関する国際的な基準設定の動向について国際的な関心が高まっている中、今後、国際的な人的資本の基準が開発された場合、グローバルな投資家はクロスボーダーかつ業種別に企業間比較することが想定される。そして、日本企業が中長期投資に資する投資先としての魅力を高め、国際競争力を維持・向上していくにあたっては、こうしたグローバルな潮流への対応を含む、人的資本開示に対する取組みの重要性が一層高まる可能性がある。
金融庁は、上記の状況に鑑みて、「人的資本開示に対する海外投資家の着眼点及び開示に関する調査」(以下「本調査」という。)をボストン・コンサルティング・グループ合同会社に委託し、海外投資家へのヒアリングを通じて得られた投資意思の決定の際に着目する人的資本に係る開示のポイント、及びこれに関連する海外企業の開示と既存の人的資本に関する基準・フレームワーク等について調査分析を行った。そして、本調査の結果として、2025年4月2日付「人的資本開示に対する海外投資家の着眼点及び開示に関する調査」報告書(以下「本報告書」という。)が公表されたことから、その概要をご紹介する。
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(くにもと・かずき)
岩田合同法律事務所弁護士。2016年慶應義塾大学法科大学院修了。2017年弁護士登録。2021年4月から2023年3月まで国内証券会社勤務。金融商品取引法・役員報酬を中心に企業法務全般を取り扱う。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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金融庁、「人的資本開示に対する海外投資家の着眼点及び開示に関する調査」報告書の公表
https://www.fsa.go.jp/common/about/research/20250402/20250402.html