第1回「デジタル市場競争会議」が開かれる
――多岐にわたり「年内取りまとめ」を合意、専門的検討のワーキンググループも開催――
デジタル市場競争本部事務局は10月4日、第1回となる「デジタル市場競争会議」の開催について発表した。
9月27日の閣議決定によりデジタル市場競争本部(本部長・内閣官房長官)が設置されたところ、同日、デジタル市場競争会議(議長・内閣官房長官)の開催についても同本部として決定していた。「デジタル市場に関する重要事項の調査審議等を実施する」ことを目的とし、副議長(経済再生担当大臣)以下6名の関係閣僚のほか、公正取引委員会委員長、5名の学識経験者らが加わって構成。内閣官房デジタル市場競争本部事務局が関係行政機関の協力を得ながら事務局を務める。会議における配布資料、会議の議事録に関しては原則として公表するものとされ、今般の第1回会議開催にあたっても配布資料については即日公表された。議事次第による当日の議題は(1)デジタル市場のルール整備の進め方、(2)ワーキンググループの開催について。
上記(1)の関係資料によると、「ルール整備」に向けた現下の課題は、①データの価値評価も含めた独占禁止法の企業結合審査に係るルール整備、②デジタル・プラットフォーマー取引透明化法の検討、③デジタル・プラットフォーム企業による消費者に対する優越的地位の濫用への対応、④個人情報保護法の見直し、⑤デジタル市場の競争評価とされており、おおむね巨大IT企業を対象として幅広い課題に取り組んでいく方針であることが把握できる。
また(2)を巡り、「デジタル市場に関する特有の課題について、現状の分析をはじめ、専門的、多角的な検討を深めていく」とする「デジタル市場競争会議ワーキンググループ」の開催が決定され、デジタル市場競争会議議長の指名により座長には依田高典京都大学大学院教授が就任、10月8日に初会合が開かれている。
議長(内閣官房長官)は10月4日、第1回デジタル市場競争会議終了後の会見で「デジタル・プラットフォーマーの取引の透明化・公平性を確保するための法案と、個人情報保護法改正法案について、年内にとりまとめること、データの価値評価を踏まえた形での企業結合審査ガイドラインの見直しや、消費者に対する優越的地位の濫用のガイドラインの策定について、年内にとりまとめること、『デジタル広告市場』について、競争状況の評価を開始すること、について合意されました」と、上記諸課題に関して想定する取りまとめ時期を示した。同会議の運営要領では、今後も「会議終了後、記者会見を行い、議事内容を説明する」としている。