◇SH2957◇個人情報保護法の「いわゆる3年ごと見直し」で制度改正大綱に関する意見募集 ――1月14日まで、意見を踏まえて通常国会への法案提出を目指す (2020/01/10)

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個人情報保護法の「いわゆる3年ごと見直し」で制度改正大綱に関する意見募集

――1月14日まで、意見を踏まえて通常国会への法案提出を目指す――

 

 個人情報保護委員会(丹野美絵子委員長)は12月13日、「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し 制度改正大綱」を公表し、1月14日までの意見募集に付した。

 11月29日に開催された第128回個人情報保護委員会において、その骨格となる「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し 制度改正大綱(骨子)」を決定、公表していた。この際に「本骨子を基に、年内に大綱を取りまとめ、パブリックコメントを経た上で、法改正による対応を行うものについては、来年の通常国会への改正法案提出を目指す予定」とアナウンスされていたところの「大綱」が公表されたものである(SH2931 個人情報保護委、「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し 制度改正大綱(骨子)」 の公表 藤原宇基(2019/12/12)参照)。

 大綱(案)が12月13日の第131回個人情報保護委員会に提示され、原案どおり決定された。当日の会合において、11月に委員長に就任した丹野氏が「本年1月以降、委員会において委員から表明された意見、事業者団体等へのヒアリングや、相談ダイヤル、タウンミーティングなどを通じて得た生の声も基に、多様な論点を盛り込んだ形で、大綱を取りまとめることができた」旨を述べたように、検討状況を整理して4月に公表した「中間整理」を巡る意見状況等も踏まえ、個人情報保護法の次期改正に係る委員会審議の集大成として取りまとめたものとなる(SH2531 個人情報保護委、「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」に関する意見募集を開始(2019/05/14)SH2579 個人情報保護法の「いわゆる3年ごと見直し」で意見聴取が進む (2019/06/04)SH2678 個人情報保護法「いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」の意見募集結果が公表される――提出意見数は計525件、「利用停止等」への意見が最多で65件 (2019/07/19)参照)。

 公表・意見募集に付された大綱をみると、骨子を構成した7項目(Ⅰ〜Ⅶ)は大綱中「第3章 個別検討事項」のうちの第1節〜第7節として反映されているところ、たとえば「第1節 個人データに関する個人の権利の在り方」は「1.基本的考え方」「2.個人情報保護法相談ダイヤルの充実」「3.利用停止、消去、第三者提供の停止の請求に係る要件の緩和」「4.開示請求の充実」「5.開示等の対象となる保有個人データの範囲の拡大」「6.オプトアウト規制の強化」の6項目となっている。骨子と比較した場合、上記のうち「1.基本的考え方」「2.個人情報保護法相談ダイヤルの充実」が補充されて大綱が取りまとめられたかたちとなっており、留意しておきたい。

 「中間整理」に対してもっとも多くの意見が寄せられた「利用停止等」に関する記載を大綱で確認すると、「事業者の負担も考慮しつつ保有個人データに関する本人の関与を強化する観点から、個人の権利利益の侵害がある場合を念頭に、保有個人データの利用停止・消去の請求、第三者提供の停止の請求に係る要件を緩和し、個人の権利の範囲を広げる」ものとされた(大綱8ページ参照)。そのうえで、一定の場合には請求に応じないことを例外的に許容する方針が示されている(大綱9ページ参照)。

 

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