◇SH1271◇インド:再販売価格維持により課徴金が課された初のケース 山本 匡(2017/07/05)

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インド:再販売価格維持により課徴金が課された初のケース

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 山 本   匡

 

 インドの競争法(Competition Act, 2002)上、再販売価格維持(resale price maintenance)は、インドにおける競争に重大な悪影響を及ぼし、又はその可能性がある場合、反競争的協定として違法・無効となる。

 インド競争委員会(Competition Commission of India)は、2017年6月14日付で、Hyundai Motor India Limited(ヒュンダイ・インディア)に対し、再販売価格維持を理由に8億7,000万ルピー(過去3事業年度の関連する売上高平均の0.3%)(1ルピー=約1.7円)の課徴金納付命令を出した。インドで再販売価格維持を理由に課徴金納付命令が出された初のケースである。このケースは、ヒュンダイ・インディアのディーラー2社が、再販売価格維持や抱き合わせ販売等を理由にインド競争委員会に申立てを行い、調査が開始されていたものである。

 インド競争委員会の命令によると、ヒュンダイ・インディアは、割引コントロールメカニズム(Discount Control Mechanism)を通じてディーラーによる最大割引率を監視していたこと、そしてこの割引システムを遵守しなければペナルティが課されていたこと等を認め、再販売価格維持規制違反を認めている。また、同委員会は、このようなアレンジが消費者の便益に資する結果となっておらず、却って高い価格を払わされることになり消費者の便益に反していること、製品やサービスの向上に資していないこと、新車に関する物・サービスの提供の支障となっていること、参入障壁となっていることも認定している。

 本ケースは、再販売価格維持規制違反を理由に課徴金納付命令が出された初のケースであり、インド競争委員会がどのような要素を考慮して違反の有無を判断しているか参考にする上で興味深い。

 なお、本件では、ヒュンダイ・インディアがディーラーに対し、推奨潤滑油の使用を強制し、非推奨潤滑油を使用した場合にペナルティを課したとして、ヒュンダイ・インディアによる抱き合わせ販売規制違反も認めている。

 

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