シンガポール:知的財産・無形資産の情報開示・発信及びそれらを活用した投融資機会の拡大に向けた新たなガイドライン
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 酒 井 嘉 彦
1 はじめに
2023年9月に開催された知財イベント「IP Week@SG2023」において、企業の無形資産(知的財産権を含む概念であり、以下総称して「無形資産」又はintangible assetsの頭文字をとって「IA」という。)の価値の情報開示・発信のガイドラインであるIntangibles Disclosure Framework 2023(以下「本ガイドライン」という。)が公表された[1]。
本ガイドラインは、企業が、金融機関、投資家及びビジネスパートナーを含むステークスホルダーに対して、その保有する無形資産の価値について体系的かつ透明性のある情報発信を効果的に行うための枠組み・アクションプランを提供するものである。
無形資産を活用した事業成長(資金調達を含む。)を目指す多くの企業に関係のあるガイドラインであるため、以下簡単に概要を紹介する。
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(さかい・よしひこ)
2011年から長島・大野・常松法律事務所にて勤務し、各種ファイナンス案件、不動産取引を中心に、企業法務全般に従事。2018年から2019年にかけて、Blake, Cassels & Graydon LLP(Toronto)に勤務。その後、2019 年より長島・大野・常松法律事務所シンガポール・オフィスにて、主に東南アジア地域における日本企業の進出・投資案件を中心に、日系企業に関連する法律業務に広く関与している。京都大学法学部、京都大学法科大学院、University of California, Los Angeles, School of Law(LL.M.)卒業。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
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