シンガポール

企業紛争・民事手続

SH5618 シンガポール:船荷証券の呈示のない運送品引渡しに関するシンガポール最新裁判例 梶原啓(2025/10/31)

船荷証券の呈示のない引渡しのために運送品が船荷証券の正当な所持人の手元にない事態(ミスデリバリー)について、船荷証券の所持人から賠償請求を受けた運送人はどのような反論ができるだろうか。2025年9月5日のシンガポール最上級審判決[1](以下「本判決」という。)は、第一審判決の結論を維持し、この問題に関する判断枠組みの落ち着きどころを示した。本判決に至る一連の裁判例は、海事法分野の基礎的な事項に関する最近の重要な展開である。
資本市場・IPO

SH5574 シンガポール:上場規制に関する近時の動向 金田聡(2025/09/18)

SGXに関しては、2025年2月に、金融当局であるシンガポール通貨金融庁(「MAS」)が、シンガポールの株式市場の活性化のための措置に関する提言を公表しており、かかる提言に従い、上場規制の見直しが進められているところである。今後SGXでのIPO(新規上場)やセカンダリー上場(SGX以外で既に上場している会社株式のSGXでの上場)等を検討している当事者は、このような近時の動きも考慮の上で検討を進める必要があると考えられるため、本稿では、かかるシンガポールの上場規制に関する近時の動向について触れることとしたい。
不動産法

SH5546 シンガポール:居住用不動産の売主に課される印紙税及び追加譲渡税の改正 石原和史(2025/08/20)

2025年7月3日、シンガポール財務省(Ministry of Finance、以下「MOF」という。)は、居住用不動産に係る売主印紙税(Seller’s Stamp Duty、以下「SSD」という。)の改正を発表した。また、法人を通じた居住用不動産の間接的な売却に適用される売主追加譲渡税(Additional Conveyance Duties for Sellers、以下「ACDS」という。)についても、SSDの変更に合わせて改正された。以下、これらの改正内容について概説する。
労働法

SH5469 シンガポール:夫婦間で共有可能な新たな育児休暇制度(新SPL)の導入 福井信雄/山内建人(2025/05/29)

今般シンガポール政府は、法定の育児休暇を拡充する夫婦間で共有可能な新たな育児休暇制度(Share Parental Leave:「新SPL」)を導入した。本稿ではこの新SPLについて概観する。
経済安保・通商政策

SH5465 シンガポール:通商産業省および税関による「先進半導体およびAI技術の輸出管理に関する共同勧告」の公表 松﨑景子(2025/05/26)

 2025年4月4日、シンガポールの通商産業省(Ministry of Trade and Industry)と税関は、「先進半導体および人工知能(AI)技術の輸出管理に関する共同勧告(Joint Advisory: Export Controls on Advanced Semiconductor and Artificial Intelligence (AI) Technologies)」を公表した。
倒産・事業再生

SH5450 シンガポール:企業倒産手続(債務整理・清算)の簡易版プログラムの改正 酒井嘉彦(2025/05/16)

2025年1月、企業倒産手続の簡易版プログラム(Simplified Insolvency Programme。「SIP」)の改正に関するシンガポール倒産・再生・解散法改正法案(Insolvency, Restructuring and Dissolution (Amendment) Bill)が可決されたため、本稿では改正内容を概観する。
そのほか

SH5427 シンガポール:シンガポールにおけるデータセンター開発規制の動向 松本岳人(2025/04/30)

本稿では東南アジア地域におけるデータセンター開発の有力な候補地であるシンガポールにおけるデータセンターの開発規制の動向を概観する。
企業紛争・民事手続

SH5386 シンガポール:海上事故に起因する不法行為請求に仲裁合意の効力が及ぶとしたシンガポール最上級審判決 梶原啓(2025/04/04)

本判決の事案は、船主かつ運送人のCOSCO Shipping Specialized Carriers Co Ltd(以下「COSCO」という)の船が、貨物の海上運送中に積地近くの橋に衝突したことに端を発する。その橋を所有していたのは、荷送人でもあるPT OKI Pulp & Paper Mills(以下「OKI」という)であった。OKIとCOSCOとの間の運送契約を規律するのは9つの船荷証券であった。船荷証券の仲裁条項は「any dispute arising out of or in connection with this Contract(本契約から生じる、又は、本契約に関連する全ての紛争)」を対象とするものであった。これが本件で問題となった仲裁合意である。
そのほか

SH5378 シンガポール:コーポレートサービスプロバイダー法及び会社・有限責任組合(雑則改正)法の成立 石原和史(2025/03/31)

2024年7月2日、コーポレートサービスプロバイダー法(「CSP法」)、及び、会社・有限責任組合(雑則改正)法(「CLLPMA法」)が可決された。目的は、シンガポールにおけるマネーロンダリング、テロ資金供与及び拡散金融(「マネーロンダリング等」)対策の強化等である。具体的には、CSP法は所定のコーポレートサービスプロバイダー(「CSP」)等に対する規制を強化するものであり、CLLPMA法は、会社や有限責任組合の実質的所有者等に関する透明性を高めるものとなっている。
労働法

SH5371 シンガポール:職場における差別的取扱いから従業員を保護するための新法案(Workplace Fairness Bill)について(下) 金田聡(2025/03/25)

国会での審議の結果として職場公平法案が法律として制定された場合は、これまでのシンガポールにおける雇用実務に加えて追加で必要となり得る対応も存在することから、本稿では、職場公平法案の概要を紹介するとともに、今後の見通しについて触れることとしたい。