SH4739 米英日を含む18カ国が「セキュアなAIシステム開発のためのガイドライン」を共同発表、政府は経済界との協議を開始 中崎尚(2023/12/15)

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米英日を含む18カ国が「セキュアなAIシステム開発のためのガイドライン」を共同発表、政府は経済界との協議を開始

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 中 崎   尚

 

1 はじめに

 2023年11月28日、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局および内閣サイバーセキュリティセンターは、英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャー安全保障庁(CISA)等とともに作成した「セキュアなAIシステム開発ガイドライン(Guidelines for secure AI system development)」[1](以下「本件文書」という。)の「共同署名」に加わり、本件文書を公表した。[2]これで、主要7カ国(G7)を含む計18カ国が署名に加わることとなり、AIを使用するシステムのプロバイダーによるセキュアなAIシステムの構築を支援するための指針が各国で共有されることとなった。

 

国名 機関名
アメリカ サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)
国家安全保障局(NSA)
連邦捜査局(FBI)
イギリス 国家サイバーセキュリティ庁(NCSC)
日本 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
オーストラリア オーストラリアサイバーセキュリティセンター(ACSC)
カナダ カナダサイバーセキュリティセンター(CCCS)
チリ チリ政府
チェコ 国家サイバー情報セキュリティ庁(NUKIB)
エストニア 情報システム局(RIA)
国家サイバーセキュリティセンター(NCSC-EE)
フランス フランスサイバーセキュリティ庁(ANSSI)
ドイツ ドイツ連邦情報セキュリティ局(BSI)
イスラエル イスラエル国家サイバー総局(INCD)
イタリア イタリア国家サイバーセキュリティ庁(ACN)
ニュージーランド 国立サイバーセキュリティセンター
ナイジェリア 国家情報技術開発庁(NITDA)
ノルウェー 国立サイバーセキュリティセンター(NCSC-NO)
ポーランド NASK国立研究所
韓国 大韓民国国家情報院(NIS)
シンガポール シンガポールサイバーセキュリティ庁(CSA)

出典:参加国18カ国および機関名のリスト[3]

 

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(なかざき・たかし)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。

 

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