公取委、「令和5年度における独占禁止法違反事件の
処理状況について」を公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 臼 杵 善 治
弁護士 北 田 拓 生
1 はじめに
令和6年5月28日、公正取引委員会(以下「公取委」という。)より、「令和5年度における独占禁止法違反事件の処理状況について」が公表された[1]。令和5年度は、課徴金総額が令和4年の1019億円8909万円から約2億2340万円へと大きく減少している点、課徴金減免申請数が昨年度の22件から、156件へと大幅に増えている点が特徴的である。昨年度は、旧一般電気事業者らによる市場分割カルテルという大型案件があったことが理由ではあるものの、課徴金総額2億2340万円はコロナ禍よりも低い水準であり、公取委として重要な事案に対して適切な事件処理ができているか疑問が残るところである。以下、公表された公取委の独占禁止法違反事件の処理状況についてコメントすることとしたい。
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(うすき・よしはる)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2003年慶應義塾大学法学部卒業。2006年慶應義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(第一東京)。2015年University of London, LL.M. in Competition Law修了。公正取引委員会による審査手続対応、海外当局による調査手続対応、国内外の競争法当局に対する企業結合届出のサポート、競争法コンプライアンスマニュアル作成・競争法コンプライアンストレーニング、流通取引規制に関するアドバイス、景品表示法対応等の多数の案件を取り扱っている。
(きただ・ひろき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2021年大阪大学法学部卒業。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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