「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 後 藤 未 来
弁護士 井 上 乾 介
弁護士 氏 原 裕 美
1 はじめに
経済産業省は、2024年7月5日、コンテンツ制作に携わる産業関係者に向けて、生成AIの適切な利活用の方向性を示すものとして、「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」[1](以下「本ガイドブック」という。)を公表した。本ガイドブックは、併せて公表された「コンテンツ産業における先端的技術活用に関する調査 事業報告書」[2](以下「本報告書」という。)と一体となるものと位置付けられている。
生成AIの登場により、AIの活用範囲は「情報処理・分析」から「生成」へと拡大しつつある。実際、生成AIは、大量のデータ処理、作業の効率化、新たなクリエイティビティの創出など多くの有用な側面を持ち、そのユースケースはコンテンツ産業をはじめとする各業務領域において数多く見られる。他方で、生成AIの利用による知的財産権やその他の権利・利益の侵害、個人情報や機密情報の流出、誤ったアウトプットの発信、生成された情報の悪用等の懸念も指摘されている。こうした状況を踏まえ、本ガイドブックでは、特にゲーム・アニメ・広告の各産業における生成AIの利活用ケースと、各活用シーンでの留意点・対応策が紹介されるとともに、知的財産権等の権利保護に配慮したコンテンツ制作における生成AIの適切な利活用の方向性が示されている。
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(ごとう・みき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。
(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(うじはら・ゆみ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2022年慶應義塾大学法学部卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用