SH5220 マレーシア:ブミプトラ政策に基づく外資規制の概要(下) 松﨑景子(2024/11/29)

組織法務経済安保・通商政策

マレーシア:ブミプトラ政策に基づく外資規制の概要(下)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 松 﨑 景 子 

 

(承前)

3 ブミプトラ政策に基づく主要な外資規制

 上記のとおり、経済自由化に伴い、外資企業がマレーシア市場へ参入しやすい環境が整備されてきた一方、一定の業種においては、ブミプトラ政策に基づく外資規制が依然として維持されている。

 具体的には、一定の規制業種において、外資企業が営業許可やライセンスを取得し、または政府契約や公共事業への入札に参加するためには、①一定割合以上の株式をブミプトラに保有させること、②一定割合以上のブミプトラ取締役を任命すること、③ブミプトラのパートナーと連携すること等が前提条件として求められており、これにより、外資企業のマレーシアにおける自由な事業展開には一定の制約が課されている。

 以下、主要な業種における具体的な規制例を紹介する。なお、以下は専らブミプトラ政策に焦点を当てた規制例の紹介であり、ブミプトラ政策以外の観点からの外資規制を広く一般的に紹介するものではない点にご留意されたい。

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(まつざき・けいこ)

長島・大野・常松法律事務所シンガポールオフィス所属。2016年慶應義塾大学法科大学院修了、2017年長島・大野・常松法律事務所入所。入所以降、M&A・コーポレート案件、競争当局への企業結合審査対応等を中心に、国内外の企業法務全般に従事。2024年にSingapore Management University(LL.M.)を修了し、2024年8月よりシンガポールオフィス勤務。現在は、東南アジア諸国への日本企業の進出支援、東南アジア地域を中心とするM&A案件その他の国際企業法務に従事している。

 

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