OECD「AI時代におけるデータのアクセスと共有の強化(Enhancing Access to and Sharing of Data in the Age of Artificial Intelligence)」を公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 清 水 亘
弁護士 鬼 形 新
弁護士 清 水 ゆうか
1 背景等
OECDは、2025年2月6日、「AI時代におけるデータのアクセスと共有の強化(Enhancing Access to and Sharing of Data in the Age of Artificial Intelligence)」報告(以下「本報告」という。)を公表した[1]。
本報告の背景には、経済や社会を変革しつつあるAIの潜在能力が、高品質なデータやモデルへのアクセスの不十分さによって制約されているという認識がある。本報告は、この背景認識を踏まえ、各国の包括的な事例に基づき、政府がプライバシーや知的財産権などの権利・利益を確保しつつ、データや特定のAIモデルへのアクセスと共有をどのように促進できるかを示すものである。
本報告では、2021年10月6日にOECD理事会によって採択された「データのアクセスと共有の強化に関する勧告」(以下「EASD勧告」という。)を取り上げ、法的、技術的、組織的な保護措置を確保しながら、開放性とのバランスを取るための原則を提示している。
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(しみず・わたる)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。東京大学法学部卒業。2005年弁護士登録(第一東京弁護士会。2012年愛知県弁護士会に登録替え)。主な取扱い分野は、知的財産法、テクノロジー法。
(おにがた あらた)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年一橋大学法学部卒業。2022年一橋大学法科大学院卒業。2023年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
(しみず・ゆうか)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2022年慶應義塾大学法学部卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
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