環境省、カーボンフットプリントの表示等の在り方検討会
(第1回)を開催
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
1 はじめに
環境省は、2024年10月25日、カーボンフットプリントの表示等の在り方検討会(以下「本検討会」という。)を開催した[1]。本稿では、本検討会の目的および本検討会(第1回)の検討内容を概説する。
2 本検討会の目的
カーボンフットプリント(以下「CFP」という。)とは、Carbon Footprint of Product の略語であり、製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体をとおして排出される温室効果ガス(以下「GHG」という。)の排出量を二酸化炭素排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組みをいう[2]。
わが国においては、2008年7月、CFP制度を推進することが閣議決定され、経済産業省が主体となって試行事業を実施してきた[3]。また、わが国の政策動向に目を向けると、地域の成長戦略ともなる地域脱炭素の行程と具体策を示すことを目的として2021年6月に公表された「地域脱炭素ロードマップ」においては、2030年までに製品・サービスのライフサイクルのGHG排出量や削減努力の効果を客観的な形で見える化し、活用できる環境を整備することが明記されている。さらに、2024年6月に成立した地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正においては、事業者が、原材料の調達から廃棄までのライフサイクルを通じたGHG排出量に関する正確かつ適切な情報の提供を行うよう努めなければならない旨が規定された。
この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください
(みやがわ けんじ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。
(かがわ・りょうたろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用