「次世代型」地熱発電について
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 大 槻 由 昭
1 はじめに
近時、次世代型の地熱発電という発電方式に関する議論が盛んである[1]。そこで、本稿では、かかる地熱発電方式について、その法的側面を含め、一定の考察を加えることとする。
⑴ エネルギー基本計画における次世代型地熱発電の位置づけ
現行のエネルギー基本計画(第7次。令和7年2月策定)[2]において、次世代型地熱発電については、以下のような言及がある(同計画33頁):
「海外では、日本企業も参画し、熱水のない場所でも発電が可能なクローズドループや地熱増産システムなどの実証が進められている。また、日本でも、NEDOや産総研等が、地下深くの高温・高圧な熱水を活用した超臨界地熱に関する調査を行っている。抜本的な地熱発電の導入拡大を実現するため、こうした次世代型地熱技術について、2030年代の早期の実用化を目指し、研究開発・実証を進め、事業化につなげる」
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(おおつき・よしあき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャルカウンセル。2004年東京大学法学部卒業。同年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2011年 南カリフォルニア大学(USC)・ロースクール(LL.M.)修了。2012年 ニューヨーク州弁護士登録。主に資源エネルギー分野を中心に取り扱っており、とりわけ、外資系の鉱山会社による日本での鉱業権(試掘権及び採掘権)の取得案件や、それに関連するM&A取引等の案件を多く取り扱っている。また、LNG(液化天然ガス)を海外から調達する取引をはじめ、電力ガス会社が関与するM&A取引等についても有数の実績を有する。独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の案件等に多く関与しており、資源の上流開発案件についての知見を多く有している。
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