マルチマルチクレームの制限に関する審査基準改訂案
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
弁理士 市 川 祐 輔
1 はじめに
特許法施行規則および実用新案法施行規則の一部を改正する省令(令和4年2月25日経済産業省令10号)(以下、改正された省令を「本省令」という。)が公布され、令和4年4月1日に施行される。本省令により、令和4年4月1日以降の特許出願および実用新案登録出願は、マルチマルチクレームが含まれる場合、各々、拒絶理由および基礎的要件違反の対象となる。
本省令において制限されるマルチマルチクレームとは、「他の二以上の請求項の記載を択一的に引用する請求項(マルチクレーム)を引用する、他の二以上の請求項の記載を択一的に引用する請求項」を意味するものとされる。なお、本省令で導入されるマルチマルチクレームの制限には、例外が設けられていない。
この省令の改正を受けて、審査基準の改訂案について、令和4年3月10日まで意見募集がされている。本稿では、この審査基準の改訂案およびその実務的な影響について簡単に述べる。
【マルチマルチクレームの説明】
(出典:「産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会 第16回 審査基準専門委員会ワーキンググループ 議事次第・配布資料一覧」における「資料1 マルチマルチクレーム制限について」の1頁目)
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(いちかわ・ゆうすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 弁理士。2007年早稲田大学(工学博士)。2008年弁理士登録。2016年カリフォルニア州弁護士登録。ディープラーニング、通信ネットワーク、ブロックチェーンなど主にIT関連の技術分野と特許法をはじめとする知的財産法を専門とする。
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