「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する
法律の一部を改正する法律」の成立
――公開買付制度と大量保有報告制度の改正を中心に――
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 加 納 さやか
弁護士 野 村 直 弘
1 はじめに
2024年5月15日、「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律」(以下「本法」という。)が成立し、同月22日に公布された[1]。
本稿では、本法による金融商品取引法(以下「金商法」という。)の改正の概要を簡単に紹介した上で、公開買付制度と大量保有報告制度の重要な改正の内容について解説する。
なお、本法にかかる法律案の解説論稿も本ポータルに掲載されているため[2]、併せて参照されたい。
2 本法の概要
本法による金商法の改正は、資産運用の高度化・多様化および企業と投資家の対話の促進を図りつつ、市場の透明性・公正性を確保することを目的とし、公開買付制度、大量保有報告制度、金融商品取引業者等の規制といった金商法上の複数の制度に及ぶ。
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(かのう・さやか)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2008年東京大学工学部建築学科卒業。2011年東京大学法科大学院卒業。2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)。専門は企業法務、eスポーツ/ゲーム、エネルギー。主な業務として企業の買収・合併・分割等のサポートや、企業の取引・規制等に関する助言を行っている。
(のむら・なおひろ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2013年東京大学法学部卒業。2015年弁護士登録(第二東京弁護士会)。主に、コーポレート、M&A、人事・労務、紛争解決に関する業務を広く取り扱う。プロボノ活動にも注力している。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
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