SH3565 内閣官房、スタートアップの育成の在り方に関するワーキンググループ(第1回)を開催 松本 拓/山上大貴(2021/04/06)

組織法務資本市場・IPO

内閣官房、スタートアップの育成の在り方に関する
ワーキンググループ(第1回)を開催

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 松 本   拓

弁護士 山 上 大 貴

 

1 はじめに

 2021年3月19日、内閣官房において、スタートアップの育成の在り方に関するワーキンググループ(第1回)(以下、「本WG」という。)が開催された。本WGは、2021年3月17日に内閣官房において行われた第8回成長戦略会議[1](以下、「第8回成長戦略会議」という。)で、わが国のスタートアップの数が依然として低い水準にとどまっており、かつ、成長するスタートアップはきわめて少ない現状が確認されたことを踏まえ、スタートアップの創出・成長発展のための適切な環境の構築の方策を検討するために開催されたものである[2]

 なお、本稿執筆段階においては本WGの議事要旨が未公開であるが、本稿では、本WGにおける議題につき、本WGにおける議事次第および配布資料等に基づき紹介するものである。

 

2 検討事項

 本WGにおいて検討された主な課題は以下の6項目である[3]。以下、それぞれの項目に沿って背景事情および問題意識を説明する。

 

 ⑴ スタートアップの創出・成長発展のための環境整備はどうあるべきか

 本項目は、本WGにおける検討項目の総論的位置づけである。本項目に関連して、下記の図を用いて、日本のスタートアップをめぐる環境が「負の循環」に陥っているとの指摘がなされている[4]

      

 第8回成長戦略会議においては、上記の図を示した上で、わが国のスタートアップを取り巻く多数の課題は絡み合って負の循環を形成しており、この状況を改善するためには、循環を起こしている課題に一斉に働きかける必要がある旨の指摘がなされている。

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(まつもと・たく)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。2005年東京大学教育学部卒業。2008年早稲田大学法科大学院卒業。2009 年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2016年コロンビア大学・ロースクール(LLM)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。主要な業務分野は,①M&A・投資・一般企業法務,②インドネシア等の海外及び③競争法関連。近時は,④スタートアップ法務・投資,⑤スポーツ及び⑥教育関連の業務にも力を入れている。2012年インドネシアのSoewito Suhardiman Eddymurthy Kardono法律事務所,2016年~2017年米国のSeward & Kissel法律事務所勤務。

 

(やまがみ・だいき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2018年東京大学法学部部卒業。2019 年弁護士登録(第二東京弁護士会)。主要な業務分野は、①倒産・事業再生、②M&A・投資・一般企業法務、③スタートアップ法務・投資、④訴訟・紛争解決など。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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