経産省、第5回 人的資本経営の実現に向けた検討会
岩田合同法律事務所
弁護士 久木元 さやか
1 はじめに
経済産業省(以下「経産省」という。)産業人材課は、令和3年11月24日に、第5回目の「人的資本経営の実現に向けた検討会」(以下「本検討会」という。)を開催した。本検討会は、人的資本経営[1]に具体的に取り組むにあたっての各課題において取り得るアクションや、進める上でのポイントは何かということについて、企業経営者や投資家・有識者において議論する検討会である。本検討会は、同年7月以降毎月1回開催されており[2]、これまで以下のとおりのテーマで議論がなされてきた。
第1回[3] (7月1日) |
人的資本経営の実現に向けた課題 |
第2回[4] (8月19日) |
人材戦略の視点と共通要素 人的資本経営に関する調査設計 |
第3回[5] (9月16日) |
政府内部での関連動向 人材戦略の視点と共通要素 |
第4回[6] (10月25日) |
人的資本に関する企業と投資家との対話と開示 |
第5回本検討会においては、人的資本経営実務指針(仮称)(以下「本指針」という。)の構成を中心に議論が行われ、各委員からの意見を踏まえ、本指針に含めるべき要素等が検討されたものと見られる。第5回本検討会の議事要旨の公開前ではあるが、事務局説明資料(以下「本資料」という。)が公開されているため、本稿では、本資料の概要について紹介する。
2 本指針の構成
本資料において提案されている本指針の構成は、以下のとおりである。
この記事はプレミアム向け有料記事です
ログインしてご覧ください
(くきもと・さやか)
岩田合同法律事務所アソシエイト。2015年東京大学文学部卒業。2017年東京大学法科大学院卒業。2018年弁護士登録。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
<連絡先>
〒100-6315 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング15階 電話 03-3214-6205(代表)