金融庁、「記述情報の開示の好事例集2021」の更新
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
弁護士 齋 藤 宏 一
1 はじめに
金融庁は、投資家と企業との建設的な対話に資する充実した企業情報の開示を促すため、2018年度以降、随時「記述情報の開示の好事例集」を公表している。昨年12月に、「サステナビリティ情報」に関する開示の好事例を取りまとめた「記述情報の開示の好事例集2021」が公表されたが、今般、2022年2月4日付で、同事例集に「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「事業等のリスク」および「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」の開示の好事例を追加した更新版(以下「本事例集(更新版)」という。)が公表された[1]。
昨年末の「サステナビリティ情報」に関する開示の好事例は、特に気候変動関連の開示および経営・人的資本・多様性等に関する開示の好事例集を取り上げたものであったが、本事例集(更新版)では、これらに限らず、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「事業等のリスク」および「経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」の全般についての開示の好事例について取り上げられている。また、今回の好事例集では、より好事例の裾野を広げていく観点から新たな企業が積極的に取り上げられている。
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(さいとう・こういち)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。1999年東京大学法学部卒業。2001年弁護士登録(第一東京)。2008年ハーバード・ロースクール(LLM)修了、2008-2009年ハーバード・ロースクール客員研究員。2009年ニューヨーク州弁護士登録。SDGs、ダイバーシティ、ビジネスと人権、人的資本への投資等、サステナビリティという観点からの企業の事業運営に関連して精力的に活動を行っている。
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