SH4027 民事訴訟法(IT化関係)等の改正 矢野雅裕/早川晃司(2022/06/14)

取引法務企業紛争・民事手続

民事訴訟法(IT化関係)等の改正

弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所
弁護士 矢 野 雅 裕

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
弁護士 早 川 晃 司

 

1 はじめに

 2022年5月25日、民事訴訟法等の一部を改正する法律(法律48号)(以下「新法」という。)が公布された[1]。新法は、2025年度までに段階的に施行される予定となっている。すでに報道されているとおり、内容としては民事裁判手続のIT化を主たる目的としたものであるが、それ以外にも民事裁判実務において影響のある重要改正が含まれている。本記事では、特に重要なポイントに絞って、新法の内容を紹介する。

 

2 民事裁判手続のIT化

 ⑴ 総論

 日本の民事裁判手続は、諸外国と比較してIT化の遅れが指摘されており、従前より、3つのe――①e提出(主張・証拠のオンライン提出等)、②e事件管理(訴訟記録へのオンラインアクセス等)、③e法廷(ウェブ会議の導入・拡大等)――に向けた取組みを進めるとされていた。今般、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会(以下「IT化部会」という。)における審議および改正要綱案の取りまとめ等[2]を経て改正法案が国会に提出され、2022年5月18日に可決成立するに至った。

(内閣官房・裁判手続等のIT化検討会「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ」(2018年3月30日)より引用)[3]

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(やの・まさひろ)

弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2003年東京大学法学部卒業。2003年-2007年財務省勤務。2010年東京大学法科大学院終了。2011年弁護士登録。2018年Queen Mary University of London(LLM)修了。主要な業務分野は、国内外の紛争解決業務(訴訟、調停、国際訴訟、国際調停、国際仲裁)。

 

(はやかわ・こうじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2011年東京大学法学部卒業。2013年東京大学法科大学院修了。2014年弁護士登録(東京弁護士会)。2020年Queen Mary University of London(LLM)修了。訴訟・仲裁その他の紛争解決案件を主要な業務分野とする。英国等での留学・研修経験を活かし、専門性の高い海事・物流案件も取り扱っている。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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