SH4450 EUデジタルプラットフォーム規制の概要と最新動向 井上乾介/中島滉平(2023/05/23)

取引法務消費者法

EUデジタルプラットフォーム規制の概要と最新動向

 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士・カリフォルニア州弁護士 井 上 乾 介

弁護士 中 島 滉 平

 

1 はじめに

  近年、デジタルプラットフォームの市場支配力が強まる中、デジタル市場における取引の公正性、透明性や競争環境等に対する懸念が世界的に指摘されている。

 このような状況を受けて、EUは、デジタル市場法(Digital Markets Act。以下「DMA」という。)を2023年5月2日に適用を開始している。[1] 

 また、消費者保護、プラットフォームの透明性確保を図るべくデジタルサービス法(Digital Services Act。以下「DSA」という。)を2024年2月17日に適用開始することを予定している[2]

 本稿では、DSAおよびDMAの概要と日本におけるプラットフォーム規制の概要と最新動向を紹介した上、日本企業への示唆を指摘する。

 

2 デジタルサービス法(DSA

 ⑴ 目的

 DSAは、EUのデジタル戦略の一環として、消費者保護、プラットフォームの透明性確保およびEU市場におけるイノベーション促進等を目的とする。

 

 

 

「The Digital Services Act: ensuring a safe and accountable online environment」
(欧州委員会)[3]より一部抜粋および日本語訳

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(なかしま・こうへい)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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