SH4162 中国:オフィス設備の国産優先戦略の動き(1) 川合正倫/万鈞剣(2022/10/13)

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中国:オフィス設備の国産優先戦略の動き(1)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 川 合 正 倫

中国律師 万   鈞 剣

 

はじめに

 中国政府は、2015年5月に「中国製造2025」の産業政策を発表した。同政策において、次世代情報技術、新エネルギー車及び高性能医療機器など10の重点分野と23の品目を設定し、製造業の高度化を目指す旨を宣言した。その後、中央政府及び地方政府は、ハイレベルの半導体を含む多数の対象品目について細分化した政策を打ち出している。

 こうしたなか、中国国家市場監督管理総局及び中国国家標準化管理委員会(以下、あわせて「規制当局」という。)は、政府当局や重要インフラ運営者が購入することのできるオフィス設備製品を、中国国内で設計、開発、製造された製品に限定する新たな規制を検討しており、外資排除や技術移転の懸念が報道されている。

 本稿では、この新規制に関して、その概要、外資企業の懸念点及び政府調達法との関係に触れながら、外国企業の留意点について紹介する。

 

1 新規制の概要

 規制当局は、2022年4月16日付けで国家規格である「情報セキュリティ技術オフィス設備セキュリティ規範」草案(中文表記は「信息安全技术 办公设备安全规范」、以下、「オフィス設備規格草案」という。)を策定したとされている。本稿の執筆時点において、オフィス設備規格草案は正式には公開されておらず、今後草案が正式に公布され意見募集のプロセスが踏まれる可能性もあるが、報道等の情報によると、同規範の主な規制は以下の内容を含む。

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(かわい・まさのり)

長島・大野・常松法律事務所上海オフィス一般代表。2011年中国上海に赴任し、2012年から2014年9月まで中倫律師事務所上海オフィスに勤務。上海赴任前は、主にM&A、株主総会等のコーポレート業務に従事。上海においては、分野を問わず日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。クライアントが真に求めているアドバイスを提供することが信条。

 

(Junjian・Wan)

2011年から2015年まで中倫律師事務所北京オフィスに勤務、2015年に長島・大野・常松法律事務所に入所。日系企業による中国市場の進出及びM&A、合弁提携その他事業経営の全般に関する法務サポートに従事し、また、中国企業による日本市場への参入等に関する法務サポートも提供。山東大学法学部、早稲田大学法学研究科卒業。

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、500名を超える弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ及び上海にオフィスを構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。

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