カメラ画像・顔認識技術に関する国内外の個人情報保護の動向
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業
弁護士 井 上 乾 介
弁護士 膝 舘 朗 人
1 はじめに
IoT(Internet of Things)の急速な普及に伴い、カメラ等の機器によって人々の動向・属性や街頭の状況についてのデータを収集・解析し、さらに、データを事業活動や防犯に用いることが一般化しつつある。こうしたデータの利用は、特にインターネットを通じて他のデータと組み合わせられることによって大きな価値を生む。しかし、同時に「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)を始めとする各種法令に抵触するリスクや個人のプライバシーや肖像権を侵害し得るという問題をはらんでいる。
特にカメラ画像を利用したデータの収集・解析は、カメラ画像に容易に変更することのできない個人の顔や容貌が含まれることからこうした問題を惹起しやすい。
このような状況を踏まえて、日本のみならず世界規模で個人情報の適正な使用を実現するための取組が推進されている。本稿ではこうした取組のうち、総務省および経産省による「カメラ画像利活用ガイドブック」の改訂、個人情報保護委員会に設置された、犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像の利用に関する有識者検討会が示す検討課題および世界プライバシー会議における「顔認識技術における個人情報の適切な利用に関する原則及び期待に係る決議」の概略を紹介する。
2 カメラ画像に関する国内外の動向
⑴ 「カメラ画像利活用ガイドブック」
出典:「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0概要」[1] 1頁
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(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(ひざたて・あきと)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。東京大学法学部卒業。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
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