ビジネス関連発明の最近の動向
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 後 藤 未 来
弁護士 吉 田 崇 裕
1 はじめに
近年、IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)などの新たな情報通信技術の発展がめざましく、ビジネスにおいてこれらの技術を利活用する動きも加速している。こうした技術とビジネスの融合領域においては、新たな発明が生まれることも少なくなく、これらの「ビジネス関連発明」は、近時のデジタル化の進展に伴いますます注目を集めている。本稿では、2022年11月28日に更新された特許庁の「ビジネス関連発明の最近の動向について」[1]を踏まえ、ビジネス関連発明の概要やその出願動向等について紹介する。
出典:特許庁「『コト』の時代におけるビジネス関連発明の権利取得について」[2] 4頁
2 ビジネス関連発明の概要
「ビジネス関連発明」の用語について、公式な定義があるわけではないが、通常、ビジネス方法がICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を利用して実現された発明のことを指す場合が多い。
一般に、アイデアそのものは特許の保護対象にはならないものの、そのアイデアをICTによって実現する場合には、ビジネス関連発明として特許の保護対象となり得る。下図は、ビジネス方法とICTの組み合わせにより、ビジネス関連発明となり得る例を示すものである。
出典:特許庁「ビジネス関連発明の最近の動向について」[3]
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(ごとう・みき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。