SH4325 ベトナム:労働法Q&A 移動時間に残業代を支払う必要があるか 澤山啓伍/Pay Thi Dung(2023/02/24)

そのほか労働法

ベトナム:労働法Q&A 移動時間に残業代を支払う必要があるか

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

ベトナム弁護士 Pay Thi Dung

 

Q:当社は顧客からの依頼に基づき、従業員を顧客の工場に派遣することがあります。遠方の現場に出張する場合、近時の交通状況の悪化により、従業員がハノイ市内の自宅に帰宅するのが定時を超えることが多くなってきました。従業員が定時前に出張中の作業を終え、帰宅するのが定時後になった場合、定時後帰宅までの移動時間は労働時間にあたるとして残業代を支払う必要があるでしょうか?

 

A:

1 労働時間に含まれる時間

 労働法上、使用者が労働者に対して賃金を支払う必要のある通常労働時間(所定労働時間)は、1日8時間(週当たり勤務制度を採用する場合は10時間)まで、かつ1週間48時間までとされています(第105条)。所定労働時間は、就業規則及び労働契約に明記する必要があり(第21条第1項第g号、第118条第2項a号)、所定労働時間外に労働者が労働に従事した場合には、その時間に応じて、所定の時間外労働賃金(第98条)を支払う必要が生じます。

 問題は、移動時間が労働時間に当たるか、という点にあります。

 この点、労働条件及び労働関係に関する労働法の施行細則である政令第145/2020/ND-CP号では、第58条で、以下の時間が労働時間に含まれ、賃金を支払う必要があるものとして規定されています。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

 

(ズン・パイ)

2014年Hanoi Law University (L.L.B)及び名古屋大学日本法教育研究センター(ハノイ)卒業。2017年名古屋大学大学院法学研究科修了。2017年11月に長島・大野・常松法律事務所のハノイオフィスに勤務。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、約500名の弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ及び上海に拠点を構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。

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