◇SH2384◇労政審、障害者雇用促進法の改正で法律案要綱を答申 (2019/03/07)

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労政審、障害者雇用促進法の改正で法律案要綱を答申

――特定短時間労働者の雇用では事業主に対する特例給付金制度を創設へ――

 

 厚生労働大臣の諮問を受けて労働政策審議会(会長=樋口美雄・独立行政法人労働政策研究・研修機構理事長)は2月19日、「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」を答申した。障害者の雇用を一層促進するため、(A)事業主に対する短時間労働以外の労働が困難な状況にある障害者の雇入れおよび継続雇用の支援、(B)国および地方公共団体における障害者の雇用状況についての的確な把握等に関する措置などを講ずるもので、厚生労働省としては開会中の第198回通常国会に改正法案を提出する予定となっている。

 法律案要綱の答申に向けては、労働政策審議会の障害者雇用分科会(分科会長=阿部正浩・中央大学教授)における審議結果が2月13日、意見書「今後の障害者雇用施策の充実強化について」として取りまとめられ、厚労大臣に提出されたところであり、今般の法改正の内容はこの意見書の内容を踏まえたものとなる。本意見書の位置付けとして特徴的なのは、(ア)平成30年7月30日取りまとめの「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告書」(同研究会の座長も阿部中央大学教授)における内容・議論を踏まえていること、(イ)国・地方公共団体の多くの機関で対象障害者の確認・計上に誤りがあり、法定雇用率を達成しない状態が長年にわたり継続していた問題を受け、再発防止を徹底するだけでなく、今後は民間事業主に先駆けた取組みにも積極的にチャレンジするなど、名実ともに民間事業主に率先垂範する姿勢のもとで障害者の活躍の場の拡大に向けた取組みを進めていくことが必要とされたことの2点。

 法律案要綱をみると上記(B)および(イ)の観点から取り上げられている項目が多く、「第一 障害者の活躍の場の拡大に関する措置」として掲げられる(一)国及び地方公共団体の責務規定の改正、(二)障害者活躍推進計画作成指針等、(三)国及び地方公共団体の任命権者による対象障害者である職員の任免に関する状況の公表、(四)特定短時間労働者の雇用の促進および継続を図るための特例給付金制度、(五)基準に適合する事業主の認定等、(六)国及び地方公共団体における障害者雇用推進者および障害者職業生活相談員の選任、(七)国及び地方公共団体の任命権者に対する解雇の届出義務の適用の7つの措置のうち(一)〜(三)・(六)および(七)の5措置はもっぱら国・地方公共団体を適用対象とする。

 また、要綱中「第二 国及び地方公共団体における障害者の雇用状況についての的確な把握等に関する措置」に係る項目として(一)対象障害者の確認方法に関する法律上の明確化(民間事業主においても同様の明確化)、(ニ)対象障害者の確認に関する書類保存義務の法律上の明確化(民間事業主においても法律上の義務化)、(三)国・地方公共団体に対する厚生労働大臣または公共職業安定所長による報告徴収の規定の整備の3点が挙げられるところとなった。

 一方、上記(四)の特例給付金制度は、①特に短い労働時間以外での労働が困難な状態にある対象障害者を特定短時間労働者として雇い入れる事業主等を対象として、特定短時間労働者の雇入れまたは雇用継続の促進を図るため、②独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支給し、③障害者雇用納付金を財源とする特例的な給付金制度を創設するもので、意見書「今後の障害者雇用施策の充実強化について」によると、週所定労働時間20時間未満の雇用障害者数に応じた支援となることが見込まれる。

 また(五)として掲げられるのは、①障害者雇用に関する優良な中小企業の事業主の認定制度を創設するとともに、②認定事業主については商品、サービス、商品やサービスの広告または取引に用いる書類・通信等において厚労大臣が定める表示を可能とするなどの制度。意見書によれば、認定に当たって考えられる評価項目として、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率を達成していることその他労働関係法令に違反する重大な事実がないことを前提に「障害者雇用の推進体制の整備」「障害者雇用に関する理解浸透」「職務の選定・創出」「職場環境の整備」「雇用管理の充実」「障害者を採用し、活躍を推進するための計画立案」「募集・採用の取組」「職場定着の取組」「関係機関との連携」の9項目が例示されている。

 (四)および(五)の改正項目については原則として平成32年4月1日から施行。改正法の附則には、施行後3年を目途として施行状況等を勘案しつつ検討を加え、必要な場合には所要の措置を講ずるとする検討条項が置かれる。

 

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