◇SH2533◇自民党・金融調査会、3プロジェクトチームの提言を取りまとめて公表 (2019/05/14)

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自民党・金融調査会、3プロジェクトチームの提言を取りまとめて公表

――手形・小切手の電子化促進、高レベルの総合取引所実現など――

 

 自由民主党政務調査会は5月7日、金融調査会(会長・山本幸三衆議院議員)のもとに設置された3つのPT(プロジェクトチーム)の提言を「金融調査会 提言」として取りまとめ、公表した。

 (1)金融イノベーション加速化PT、(2)地域金融機関経営力強化PT、(3)金融市場強化・保険PTにおいて2018年11月30日以降行われてきた議論は4月中に各PTが取りまとめの会合を開催、「親会」に該当する金融調査会には今般の提言の「案」が4月23日の会合で報告されていた。金融市場におけるさまざまな環境変化を踏まえ、政府に対して具体的な取組みを求めるものとなっている。

 提言は各PTごと(1)金融イノベーション加速化PT「デジタル・プラットフォーム型金融アーキテクチャーの確立に向けて〜消費者・投資家起点での金融アンバンドリング〜」4月2日付、(2)地域金融機関経営力強化PT「地域金融機関の経営力の強化に向けて」4月12日付、(3)金融市場強化・保険PT「金融市場の多角的な機能強化に向けて」4月12日付の3つからなっており、たとえば(1)では「FinTechを始めとした金融イノベーションについて、以下のとおり取組の深化・重層化・加速化を求める」とし、①投資家・利用者目線でのイノベーション促進(金融商品提供者と利用者を結ぶチャネルの多様化、デジタル・プラットフォーム型の金融アーキテクチャーの構築など)、②電子的金融代行サービスの深化&オープンAPIの加速、③金融サービスのアンバンドリング化・新規参入の促進、④既存金融機関の事業機会・FinTech企業との連携の拡大、⑤キャッシュレス化の推進、⑥当局によるFinTech&キャッシュレス推進のためのサポート体制、国際的連携の確保――を要請。

 ⑤では「手形・小切手の電子的な仕組みへの移行」について、「金融界・産業界などの関係者における検討において、『5年間で全国手形交換枚数の約6割が電子的な方法に移行すること』が中間的な目標と設定されたことから、この実現に向けて、多様な利用者に配慮しつつ、金融庁・経産省において金融界・産業界と連携し責任をもって取り組むべきである」とした。

 また上記(3)は、①証券・金融と商品を横断的に一括して取り扱う総合取引所の実現、②リスクマネーの供給を促進する融資型クラウドファンディングにおける情報開示の拡充、③高速かつ高頻度で自動売買を繰り返す取引手法・HFTへの対応(市場に与える影響の検証、利用できるサーバーの数の制限等に係る検討、金融庁における事業者の登録審査およびモニタリングの適切な推進など)といった市場の機能強化に向けた多角的な取組みを求めるもの。

 ①では、本年3月28日に発表された日本取引所グループと東京商品取引所における経営統合に向けた基本合意を踏まえ、「具体的な商品の移管時期」「幅広い商品デリバティブの上場」など総合取引所の実現のために残されている検討課題に触れつつ「今回が総合取引所を実現するラストチャンスである認識のもと、高いレベルでの総合取引所が2020年度上半期に実現できるよう、政府は取組みを急ぐべきである」と指摘している。

 

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