SH2964 国交省、民法(債権法)の改正を踏まえ、建設工事標準請負契約約款の改正を決定・実施を勧告 青木晋治(2020/01/16)

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国交省、民法(債権法)の改正を踏まえ、
建設工事標準請負契約約款の改正を決定・実施を勧告

岩田合同法律事務所

弁護士 青 木 晋 治

 

1 建設工事標準請負契約約款の改正

 令和元年12月23日、国土交通省は、令和2年4月に施行される改正民法への対応等のため、同省に設定される中央建設業審議会において、建設工事標準請負契約約款の改正が決定され、その実施が勧告されたことを公表した。

 

2 改正の背景・経緯

 令和2年4月1日から改正民法が施行される。改正民法の施行に向け、建設工事標準請負契約約款の規定について見直しを行うべく、中央建設業審議会のもとに建設工事標準請負契約約款改正ワーキンググループにおいて議論が進められていたが、12月13日に開催された中央建設業審議会において、建設工事標準請負契約約款の改正が決定され、12月20日にその実施が勧告された。

 

3 改正の概要

⑴ 譲渡制限特約

 改正民法においては、譲渡制限特約が付されていても債権の譲渡の効力は妨げられないとされたところであるが(改正民法第466条第2項)、発注者、元請人、下請人いずれの立場に立っても一定の意義が認められることから、譲渡禁止特約自体は維持された。そして、公共約款(公共工事標準請負契約約款)については、受注者が前払や部分払等によってもなお工事の施工に必要な資金が不足する場合には発注者は承諾をしなければならないこととする条文、民間約款(民間建設工事標準請負契約約款(甲)、民間建設工事標準請負契約約款(乙)、及び建設工事標準下請契約約款)については、資金調達目的の場合に譲渡を認めることとする条文を選択して使用できることとした。

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