◇SH2990◇「パワハラ防止指針」および「セクハラ防止指針の改正」が公布される――パワハラの具体的内容、事業主が講ずべき措置等(2020/01/31)

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「パワハラ防止指針」および「セクハラ防止指針の改正」が公布される

――パワハラの具体的内容、事業主が講ずべき措置等――

 

 「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)」(以下「パワハラ防止指針」)および「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する件(同第6号)」(以下「セクハラ防止指針の改正」)が1月15日に公布された。いずれも、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第24号)」の施行日である6月1日から施行される。

 今般の指針の策定等では、①「パワハラ防止指針」として、職場におけるパワハラの具体的な内容や、事業主がパワハラに関し雇用管理上講ずべき措置の内容等を定める、②「セクハラ防止指針の改正」として、セクハラ対策の対象に取引先等を含める、等を行うため、労働政策審議会における議論等を踏まえ、厚労省が令和元年11月21日に原案を公表して意見を募集していたところである(後掲の別稿参照)。

 このうち、「パワハラ防止指針」では、職場におけるパワハラは、「職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいう」との定義のもと、「職場」、「労働者」、「優越的な関係を背景とした言動」、「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」、「労働者の就業環境が害される」の解釈・例示を掲げている。

 そして、パワハラの代表的な言動の6類型【身体的な攻撃(暴行・傷害)、精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)、人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)、過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)、過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)、個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)】について、「該当すると考えられる例」と「該当しないと考えられる例」を掲げている(ただし、限定列挙ではないことに十分留意するよう求めている)。

 「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容」としては、たとえば、「事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発」について、次のように定めている。

  1. ○ 職場におけるパワハラの内容および職場におけるパワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること(就業規則、社内報、ホームページ、研修・講習等)。
  2. ○ 職場におけるパワハラに係る言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針および対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること(就業規則等)。

 また、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組の内容」としては、パワハラは、セクハラ、マタハラその他のハラスメントと複合的に生じることも想定されることから、事業主は、たとえばセクハラ等の相談窓口と一体的にパワハラの相談窓口を設置し、一元的に相談に応じることのできる体制を整備することが望ましいとしている。

 さらに、「事業主が自らの雇用する労働者以外の者に対する言動に関し行うことが望ましい取組の内容」も示されている。

 「セクハラ防止指針の改正」では、性的な言動言動を行う者には、「労働者を雇用する事業主(その者が法人である場合にあってはその役員)、上司、同僚に限らず、取引先等の他の事業主又はその雇用する労働者、顧客、患者又はその家族、学校における生徒等もなり得る」ことを明記する等としている。

 

 

 

  1. 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(厚労省告示第5号)(1月15日)
    https://kanpou.npb.go.jp/20200115/20200115g00007/20200115g000070017f.html
  2. ◯ 厚労省、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)に係る御意見募集の結果について(1月15日)
    https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190288&Mode=2
  3. ◯ 意見公募時の「概要」
    https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000196857
  4.  
  5. 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する件(厚労省告示第6号)(1月15日)
    https://kanpou.npb.go.jp/20200115/20200115g00007/20200115g000070021f.html
  6. ◯ 厚労省、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する件(案)に係る御意見募集の結果について(1月15日)
    https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190289&Mode=2
  7. ◯ 意見公募時の「概要」
    https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000194950
  8.  
  9. 厚労省「職場におけるハラスメントに関する関係指針改正部分(抜粋)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000584517.pdf
  10.  
  11. 参考
  12. SH2877 厚労省、パワハラ防止措置に関する指針の素案を公表 冨田雄介(2019/11/08)
    https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=10264695
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