◇SH3038◇東証、新市場区分の概要等を公表 ――プライム市場・スタンダード市場・グロース市場に再編、2022年4月1日移行を想定――(2020/03/03)

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東証、新市場区分の概要等を公表

――プライム市場・スタンダード市場・グロース市場に再編、2022年4月1日移行を想定――

 

 東京証券取引所は2月21日、新市場区分の概要等を公表した。

 市場構造のあり方等の見直しについては、金融審議会市場ワーキング・グループ「市場構造専門グループ」が昨年末に報告書を取りまとめており(後掲の別稿参照)、これを受けて東証では今般、「新市場区分の概要等について」を公表したものである。

 これは、今後の市場区分の見直しに向けて、上場会社、上場準備会社、市場関係者などにおける対応の検討及び準備に資するよう、現時点で想定される、新市場区分の概要、新市場区分への移行プロセス及び今後のスケジュールを示したものである。

 東証によると、新市場区分のコンセプトおよび基準の概要は、次のようになっている。

 

プライム市場
多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備える企業向けの市場

  1. ・ 流通株式時価総額100億円、売買代金1日平均0.2億円
  2. ・ 流通株式比率35%、コーポレートガバナンス・コード全原則
  3. ・ 利益25億円(最近2年計)/売上100億円・時価総額1,000億円

 

スタンダード市場
公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備える企業向けの市場

  1. ・ 流通株式時価総額10億円
  2. ・ 流通株式比率25%、コーポレートガバナンス・コード全原則
  3. ・ 利益1億円(最近1年)

 

グロース市場
高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる企業向けの市場

  1. ・ 事業計画の合理性と上場後における継続的な開示
  2. ・ 流通株式時価総額5億円
  3. ・ 流通株式比率25%

 

 また、市場区分の見直しに合わせて、東証では、「流通株式」の定義の見直しも行うこととしており、その方向性としては、「実態として流通性が乏しいと考えられる株主の保有する株式については、株主の保有比率に関わらず流通株式から除外」することとしている(たとえば、政策保有株等)。

 「新市場区分への移行に向けた今後の工程とスケジュール」については、以下のようにしている。

  1. ① 円滑な制度移行を実現するため、まずは、現行制度の新規上場・市場変更等の基準に関して、新市場区分の基準を見据えた見直しを実施
  2. ② その後、新市場区分の基準の詳細と、今後改訂が見込まれる「コーポレートガバナンス・コード」の内容を踏まえ、上場企業が市場選択に係る検討
  3. ③ 現時点において、新市場区分への一斉移行日は2022年4月1日を想定

 なお、東証では、TOPIXなど指数の見直しに関する事項については、「TOPIX(東証株価指数)等の見直しに関する今後の対応方針について」を同日、別途公表している。

 

 

 

東証、新市場区分の概要等の公表について(2月21日)

https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0060/20200221-01.html

○新市場区分の概要等について

https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/03/J_kouhyou.pdf

○新市場区分の概要等について(サマリー)

https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/03/J_sammary.pdf

東証、「TOPIX(東証株価指数)等の見直しに関する今後の対応方針」の公表について(2月21日)

https://www.jpx.co.jp/news/1044/20200221-01.html

 

参考

SH2965 金融審議会「市場構造専門グループ」が報告書を取りまとめ――市場区分やTOPIXの変更開始、想定としては「2022年上半期」目途 (2020/01/17)

https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=10769409

SH2476 東証、市場構造の改善に向けて論点整理 (2019/04/12)

https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=8667554

 

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