2020年4月2日号
中国:新型コロナウイルスの影響まとめ(速報)
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 川 合 正 倫
はじめに
4月1日に発表された日銀短観が7年ぶりにマイナスに転じるなど、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への影響が深刻化しています。また、諸外国における移動制限や事業所閉鎖の拡大に伴い、海外に子会社・関係会社を抱える企業からの問い合わせも増えているため、速報ベースで各国の方針や影響拡大状況の概要につきお知らせ致します。なお、本記事は感染拡大が続く間、不定期に配信していきたいと思いますが、同感染症の拡大状況については日々状況が変化している中、本記事の内容がその後変更・更新されている可能性については十分ご留意の上参照ください。本記事の内容は、特段記載のない限り、日本時間2020年4月1日夜時点で判明している情報に基づいています。
全体概況 死亡者:3,305人、感染者数(累計):81,518人(3月31日現在)[1] 国内感染の収束傾向を受け、多くの企業が事業活動を段階的に再開している。他方で、3月末まで感染者統計に計上されていなかった無症状感染者が4月1日現在で1,367人と発表され、これらの無症状感染者からの2次感染と見られる事例が各地で報告されるなど、感染第二波への根強い不安感が広がっている。また、国外からの流入事例が新規感染者の大部分を占める状態が続いたことを受け、入国者に対する管理が厳格化され、3月28日以降は外国人の入国は一時的に停止され、有効なビザや居留証明があっても入国できなくなった。 |
渡航情報
- ・ 中国外務省は3月28日から、原則として全外国人の入国を一時停止する措置を適用し、有効なビザや居留許可を持っていても入国できない。例外的に入国が許可される場合は、外交、公務、礼遇、乗務員ビザで入境する場合並びに外国人が訪中して必要な経済貿易、科学技術等の活動に従事する場合及び緊急の人道主義の必要に基づく場合で中国の在外公館に申請して査証を取得した者に限定されている。
- ・ 3月29日以降、中国の国内航空会社は、1社につき各国1路線を週1往復まで、外国の航空会社は、中国との航空路線1路線を週1往復までに制限されており、中国を離発着する航空機移動は大幅に減少している。
その他
- ・ 国内感染の収束傾向を受け事業再開する動きが活発化しており、上海市では地下鉄の乗車率の向上が見られる。他方で、営業を再開していた東方明珠塔等の屋内の観光施設が3月30日から再び閉鎖され、映画館の再開も禁止されるなど、感染第二波への警戒も広がっている。
(かわい・まさのり)
長島・大野・常松法律事務所上海オフィス一般代表。2011年中国上海に赴任し、2012年から2014年9月まで中倫律師事務所上海オフィスに勤務。上海赴任前は、主にM&A、株主総会等のコーポレート業務に従事。上海においては、分野を問わず日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。クライアントが真に求めているアドバイスを提供することが信条。
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