消費者契約法専門調査会のポイント(第2回)
早稲田大学大学院法務研究会客員教授
弁護士 児島幸良
平成26年11月21日、内閣府消費者委員会において、第2回消費者契約法専門調査会が開催された。以下、その概要を報告する。なお、本報告において、意見に亘る部分は、全て報告者の私見である。
1 配付資料
以下の資料が配付された。
①資料1 「第1回消費者契約法専門調査会で出された主な御意見の概要」
②資料2 「消費者契約法専門調査会スケジュール(案)」
③資料3 「ヒアリング等の進め方について」
④資料4 「消費者契約法4条の検討課題」(後藤巻則委員提出資料)
⑤資料5-1-1 「消費者契約法(実体法部分)に関する論点と法改正の方向」(山本健司委員提出資料)
⑥資料5-1-2 「現行の消費者契約法と日弁連改正試案との対比表(図式)」(同上)
⑦資料5-1-3 「現行の消費者契約法と日弁連改正試案との条文対照表」(同上)
⑧資料5-2 「消費者契約法日弁連改正試案(2014年版)」(同上)
なお、これらの資料は、平成26年11月21日付で内閣府消費者委員会のウェブサイト(http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/other/meeting5/002/index.html)で公表されているので、内容はそちらを参照されたい。
2 議事内容
(1) まず、資料1に基づいて、第1回の調査会で出された意見の概要が紹介された。
(2) 次に、資料2に基づいて、調査会の今後のスケジュールについて説明があった。
(3) 更に、資料3に基づいて、事業者団体や消費者団体からのヒアリングや委員からのプレゼンテーションの進め方等に係る議論がなされた。その中では、例えば次のような意見が出された。
・ 平成27年7~8月に取りまとめが予定されているが、場合によっては、中間とりまとめを行うことも視野に入れる。
・ マンスリークリア問題等に係る割賦販売法の改正等の議論にも注目したい。
・ 時間が不足しているので、日弁連の試案など今までの議論の蓄積を活用し、具体的な条文までプレゼンテーションが出来るようにしたい。
(4) 加えて、資料4に基づいて説明がなされた。その中で、消費者契約法4条4項の「重要事項」、情報提供義務違反に係る損害賠償、適合性原則違反の効力などに関しても説明がなされた。
(5) 最後に、資料5に基づいて、日弁連の改正試案との関連も含め説明がなされた。
3 質疑応答及びフリーディスカッション
(1) 資料4及び資料5に基づきなされた説明に関する質疑応答及びフリーディスカッションがなされた。
(2) フリーディスカッションでは、例えば次のような意見が出された。
・ 消費者契約法のあるべき役割や民法改正に係る議論等の状況も意識しながら、議論を進めたい。民法改正の議論において、解決済みの部分も消費者法に委ねられている部分もあるので、双方を確認すべき。
・ 具体的な事例も踏まえ、どのような要件が必要十分なのかという観点が重要と思われる。
・ 消費者契約法で保護すべき各類型について、いかなる法理を用いるべきなのかを更に整理する必要がある。
・ インターネット関連のトラブルは、消費者トラブルの順位の中でも上位にあることから、十分検討すべき。広告を見てその場で取引を行なう場合、いわばその広告が全てといえる。
・ 本年12月頃までに論点は一通り出し終えたい。