◇SH0524◇企業内弁護士の多様なあり方(第2回)—業務の性質(上) 本間正浩(2016/01/13)

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企業内弁護士の多様なあり方(第2回)

—第1 業務の性質(上)—

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弁護士 本 間 正 浩

第1 業務の性質(上)

1 業務の性格

 企業内弁護士の業務は、いわば「プレイヤー」として、企業内において、法律業務の法律調査や意見の陳述、契約初頭の法律書類作成/審査、契約交渉などの実務を行うことが多いことはいうまでもない、

 しかし、それだけでは終わらない。そこには法律事務所の弁護士の行わない性質の業務がある。それは、組織という、多人数をもって構成され、各構成員がそれぞれ各種の機能別に有機的な役割を果たしている集団の中で執務しているという特質からくるものである。

 多くの場合、企業内弁護士は狭い意味で法律を扱っていればよいというものではない。「企業内弁護士」の名称からすれば、弁護士としての活動としての印象がある。しかし、現実は、その在り方は多様で広い。法律専門家としての活動に加えて、組織の一員として組織を動かしていく活動もあり、一概にどのような仕事しているものとして定義することは難しい。

2 業務管理

 企業は多数の人々の組織体であり、そこでは個人一人でできることは極めて少ない。どのような仕事も多かれ少なかれ「チーム」としての行動が必要である。そこでは、案件の報告、連絡から始まって、会議の手配(人選、タイミング、場所等)、あるいは業務全体の進捗管理等、「管理」の仕事が不可欠にならざるを得ない。

 法律事務所における業務の場合、依頼者である企業側では弁護士に対応する担当者あるいは組織がおり、それを通して情報・資料の提供や、アドバイスの受領が行われる場合が多い。これに対して、企業内弁護士の場合、自ら企業内でどの部門が関連するかを判断し、営業、財務、人事といった各部門と能動的に連携をとらなければならない。調整が必要なゆえんである。

 企業内弁護士がどの程度この管理の仕事を行うかは、法務部の機能によってくるところが多い。

 一つの形態は、法務部の役割が受動的で、ビジネス部門からの照会に対して法律的な見解を返すというものである。このような法務部では、この種の管理の仕事は比較的軽いものとなるであろう。

 一方で、より積極的な役割を期待される法務部では、業務管理は非常に重要な業務の要素になる。このような法務部では、問題の発見・特定といった「入口」とその解決・実行という「出口」のそれぞれについて、法務部の主導的な役割が期待されている。したがって、積極的にビジネス部門に働きかけ、これを「動かす」ことが必要になるからである。(以下次号)

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