金融庁と法務省、「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を踏まえた取組について公表
−−財務会計基準機構が「有価証券報告書の開示に関する事項」を公表−−
金融庁と法務省は3月30日、「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を踏まえた取組について公表した。
金融庁と法務省は、金融商品取引法に基づく有価証券報告書と会社法に基づく事業報告・計算書類の記載内容の共通化等をより行いやすくするため、昨年12月28日に「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を公表し、関係省令の改正や法令解釈の明確化等を行うこととされていたところである。
これを踏まえ、財務会計基準機構は3月30日、「有価証券報告書の開示に関する事項−『一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について』を踏まえた取組−」を公表した。これについて金融庁では、「本取組に掲げられた『作成にあたってのポイント』及び『記載事例』の内容は、関係法令の解釈上、問題ないものと考えられ、企業において、有価証券報告書と事業報告等の記載内容の共通化を行う際には、本取組が参考になるもの」と考えられるとしている。
財務会計基準機構によると、本取組は、「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を踏まえ、同機構内に設置された「有価証券報告書等開示内容検討会」において議論された結果等を反映して作成されたものであり、有価証券報告書と事業報告等の記載の共通化を図るうえでのポイントや記載事例を示すことを目的としている。なお、本取組は、会社法上の大会社であって、金融商品取引法24条1項の規定により有価証券報告書を作成し、かつ、連結財務諸表を作成している会社を前提としているものである。
本取組で「記載の共通化に向けた留意点」を示しているのは、下記の項目である。
(凡例)
開示府令・・・企業内容等の開示に関する内閣府令
財規・・・財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
連結財規・・・連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則
施行規則・・・会社法施行規則
計算規則・・・会社計算規則
- 1「主要な経営指標等の推移」/「直前三事業年度の財産及び損益の状況」(開示府令第三号様式記載上の注意(5)/施行規則第120条第1項第6号)
- 2「事業の内容」/「主要な事業内容」(開示府令第三号様式記載上の注意(7)/施行規則第120条第1項第1号)
- 3「関係会社の状況」/「重要な親会社及び子会社の状況」(開示府令第三号様式記載上の注意(8)/施行規則第120条第1項第7号)
- 4「従業員の状況」/「使用人の状況」(開示府令第三号様式記載上の注意(9)/施行規則第120条第1項第2号)
- 5「経営上の重要な契約等」/「事業の譲渡」等(開示府令第三号様式記載上の注意(14)/施行規則第120条第1項第5号ハからヘまで)
- 6「主要な設備の状況」/「主要な営業所及び工場」の状況(開示府令第三号様式記載上の注意(18)/施行規則第120条第1項第2号)
- 7「ストックオプション制度の内容」/「新株予約権等に関する事項」(開示府令第三号様式記載上の注意(19)/施行規則第123条第1号)
- 8「大株主の状況」/上位十名の株主に関する事項(開示府令第三号様式記載上の注意(25)/施行規則第122条第1項第1号及び第2項)
- 9「役員の状況」/会社役員の「地位及び担当」並びに「重要な兼職の状況」(開示府令第三号様式記載上の注意(36)/施行規則第121条第2号及び第8号)
- 10「社外役員等と提出会社との利害関係」/社外役員の重要な兼職に関する事項(開示府令第三号様式記載上の注意(37)及び開示ガイドライン5−19−2/施行規則第124条第1項第1号及び第2号)
- 11「社外取締役の選任に代わる体制及び理由」/「社外取締役を置くことが相当でない理由」(開示府令第三号様式記載上の注意(37)/施行規則第124条第2項)
- 12「役員の報酬等」/「会社役員の報酬等」(開示府令第三号様式記載上の注意(37)/施行規則第121条第4号及び第5号並びに第124条第1項第5号及び第6号)
- 13「監査公認会計士等に対する報酬の内容」/「各会計監査人の報酬等の額」及び「株式会社及びその子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額」(開示府令第三号様式記載上の注意(38)/施行規則第126条第2号及び第8号イ)
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14 財務諸表及び計算書類の表示科目
(財規第17条第1項第7号等/計算規則第74条第3項第1号トからヲまで等) - 15 財務諸表及び計算書類の1株当たり情報に関する注記(財規第68条の4及び第95条の5の2並びに連結財規第44条の2及び第65条の2/計算規則第113条)
また、金融庁では、有価証券報告書と事業報告等との記載内容の共通化や両書類の一体化を希望する企業へのサポートのため、企業からの共通化等に係る相談を受け付ける窓口を設置している。
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金融庁、「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を踏まえた取組について(3月30日)
https://www.fsa.go.jp/news/30/20180330/20180330.html -
○(別紙)「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を踏まえた取組について
https://www.fsa.go.jp/news/30/20180330/a.pdf -
財務会計基準機構、「有価証券報告書の開示に関する事項」の公表(3月30日)
https://www.asb.or.jp/jp/other/web_seminar/kaiji_20180330.html -
○ 有価証券報告書の開示に関する事項―「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」を踏まえた取組―
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/kaiji_20180330.pdf -
日本経済再生本部、事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について(平成29年12月28日)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/#other -
○ 金融庁・法務省、一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について
http://www.fsa.go.jp/news/29/20171228/20171228.html -
○ 経産省、「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について」を取りまとめました
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171228003/20171228003.html -
参考
SH1583 金融庁・法務省、事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための環境整備に向けた対応を公表(2018/01/15)
https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=5233595