◇SH0542◇企業内弁護士の多様なあり方(第5回) -業務に対する積極性の態様・程度(中) 本間正浩(2016/02/03)

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企業内弁護士の多様なあり方(第5回)

-第2 業務に対する積極性の態様・程度(中)-

日清食品ホールディングス

弁護士 本 間 正 浩

第2 業務に対する積極性の態様・程度(中)

 一歩進んで、契約「書」の範疇を越えて、その取引そのものの問題性や改善の余地まで指摘できるか、あるいは指摘することが期待されているかは、企業により異なる。また、指摘したとして、「所見」欄にコメントして終わりになるのか、それともそこから発展して、より深い検討に進んでいくのかも企業内弁護士の業務を考えるにあたり、一つの考慮点である。

 3 さらに企業内弁護士に能動的な役割を期待する企業もある。

 すなわち、単にビジネスからの照会に答えるのではなく、当該企業内における法務リスクをコントロールすることを任務とするのである。

 この場合も、現実には多くの場合がビジネスからの照会で業務が始まる。しかし、その場合、極端な言い方をすれば、かかる照会は業務開始の「きっかけ」と理解され、照会の「枠」にこだわらずに、企業内弁護士としては、「必要な検討」を行い、そのために必要な情報等について、ビジネス側に対して協力・対応を積極的に働きかけていくのである。この場合、期待されるのは、その法務アドバイスが正確かというだけでなく、問題を解決したという「結果」である。

 契約書の例でいえば、かかる形態において、契約「書」の審査は仕事そのものではなく、いわば「仕事のしかた」として理解される。「仕事」はその契約の背景にある「取引」のサポートである。そのために、取引そのものや取引の背景にあるビジネス事情について聴取を行うのはもちろん、そこで何らかの問題を見つけたときには、そこまで検討に踏み込むことができるルールないし実務慣行になっている。また、このような形で業務をしている場合には、取引の比較的早期から関与されることが多いため、むしろ取引を構築するところからビジネスと「チーム」を組んで双方向でやりとりをしながら業務をすることになる。

(以下次号)

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