◇SH0908◇実学・企業法務(第7回) 齋藤憲道(2016/12/05)

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実学・企業法務(第7回)

第1章 企業の一生

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

(3) 法務局で設立登記

 株式会社は、本店所在地において設立登記することによって成立する(会社法49条)。

 株式会社の設立登記は、株式会社設立登記申請書に次の事項を記載し、申請人(株式会社の場合は代表者)又は代理人が記名押印して行う(商業登記法17条2項)。 申請書には、登記すべき事項や登記申請する権限を証明する書類を添付する。

〔記載事項〕(商業登記法17条2項)

 申請人(又は代理人)の氏名及び住所、登記の事由(例:平成×年×月×日発起設立の手続き終了)、登記すべき事項[1]、登記すべき事項につき官庁の許可を要するときは許可書の到達した年月日、登録免許税の額及びこれにつき課税標準の金額があるときはその金額、申請年月日、申請する登記所の表示

〔添付書類〕(商業登記法47条2項・3項・4項、商業登記規則61条2項)

 定款、発起人の同意書、就任承諾書(必要人数分。取締役等は住民票も添付する)、印鑑証明書(必要人数分)、払込みがあったことを証する書面(必要な場合に、資本金の額の計上に関する証明書、設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書、等を添付する。)

〔登記を受け付けた登記所が、会社法人等番号を付与〕(商業登記法7条、商業登記規則1条の2)

 各登記所(法務局)が、株式会社・合名会社等の区分ごとに、登記記録を起こす順に従って、法人等番号(12桁の数字)を付して記録する。
 設立後に法務局で行う手続きは、この法人等番号を添書して行う。例えば、不動産の所有権移転登記申請書に記載される権利者・義務者、あるいは、抵当権設定登記申請書に記載される抵当権者・設定者が法人の場合は、その法人名に法人等番号を添書する。

 

(4) 事業に必要な行政への許認可申請・届出等

 会社が事業を開始するときは、税金・雇用・その他の関係法令を所管する行政機関に対して許可申請・届出等を行なう必要がある。手続きごとに添付書類や許可申請・届出等の時期・期限が異なるので、所管行政機関や専門家に相談し、遺漏がないようにする。

 届出等の多くは、毎年継続して申告等することが義務付けられており、申告漏れや虚偽申告は罰則や行政制裁の対象になる。

  1. 〔設立時の届出の例〕
  2. 1. 税金関係
  3.  •  税務署への届出
    法人設立届出書、青色申告承認申請書(法人税)、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、棚卸資産の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書
  4.  •  都道府県の税事務所・市区町村役場への届出
    法人設立届出書
     
  5. 2. 雇用・給与(報酬)関係
  6.  •  労働基準監督署への届出
    適用事業報告、就業規則届、労働保険関係成立届、労働保険概算保険料申告書、時間外労働・休日労働に関する協定届、雇用保険被保険者資格取得届、雇用保険の事業所設置の届出
  7.  •  年金事務所への届出
    新規適用届、被保険者資格取得届、国民年金3号被保険者資格取得届
     
  8. 3. 事業運営関係
  9.   事業の内容によって、さまざまな法律で、所管官庁に対する許可申請・届出が義務付けられている。
  10.   (例)
    消防法(防火対象物使用開始届出書、防火・防災管理者選任〈解任〉届出書、消防訓練実施計画通知書)→市町村役場(担当課、消防署等)へ
    食品衛生法(営業許可新規申請書、食品衛生管理者設置(変更)届出書)→保健所長へ
    医薬品医療機器等法〔旧、薬事法。化粧品の場合〕(化粧品製造販売業許可申請書)→都道府県薬務主管課へ


[1] (例)商号、本店、公告をする方法、目的、発行可能株式総数、発行済株式の総数、資本金の額、株式の譲渡制限に関する規定、役員に関する事項(取締役の氏名、代表取締役の住所・氏名、監査役の氏名)、監査役設置会社に関する事項

 

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