キューバにおけるビジネス形態・外国投資の留意点
西村あさひ法律事務所
弁護士 木 島 彩
1 はじめに
「カリブ海の真珠」と讃えられるキューバは、2015年7月の米国との国交正常化以降、ノスタルジックな街並みや情熱的な音楽を求めて観光客が急増しているだけでなく、今後の経済発展や需要拡大を見据えて新規進出や取引の増大を狙う多くの外国企業の注目を集めている。
2016年9月には安倍晋三首相がキューバを訪れ、ラウル・カストロ国家評議会議長と首脳会談を行い、両国間の経済関係を強化する方針で一致した。経済モデルの現代化の一環として外資導入を推進しているキューバでは、日本からの投資にも期待が高まっており、同年11月にはキューバのマルミエルカ外国貿易・投資相が来日し、東京で開催された第2回官民合同会議において、日本からの投資案件の早期実現に向けた協議が行われた。また、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)は、同年11月にキューバ向け海外投資保険の引受けを一部再開し、日本企業のキューバ進出を後押しする流れとなっている。
米国の対キューバ政策の方針転換の可能性やフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去の影響など不透明な部分はあるものの、日本・キューバ間では引き続き経済関係の強化が図られるものと考えられる。このようなキューバ情勢を踏まえ、キューバにおけるビジネス形態及び外国投資の留意点について概説する。
2 キューバにおけるビジネス形態
外国企業がキューバにおいてビジネスを行う方法としては、以下の形態がある。
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