法務大臣、法制審議会に会社法改正を諮問
法務省の法制審議会は、2月9日、法務大臣から会社法の改正と少年法の改正を諮問された(諮問第104号、第103号)。
諮問第104号は、「近年における社会経済情勢の変化等に鑑み、株主総会に関する手続の合理化や、役員に適切なインセンティブを付与するための規律の整備、社債の管理の在り方の見直し、社外取締役を置くことの義務付けなど、企業統治等に関する規律の見直しの要否を検討の上、当該規律の見直しを要する場合にはその要綱を示されたい。」とされている。
会社法の改正は、平成28年6月2日に閣議決定された「日本再興戦略2016—第四次産業革命に向けて」で、企業の情報開示の実効性・効率性の向上と株主総会の電子化についてすでに取り上げられていた。
平成28年1月から商事法務研究会が主催する「会社法研究会」において、将来の見直しに向けて、取締役の報酬や会社補償、会社役員賠償責任保険、株主提案権、社債管理に関する規律のあり方、等が議論されており、この結果が法制審議会での議論の基ととなることが予想される。
今後、1〜2年の審議の上、2019年以降の会社法改正が模索されているとみられる。
各種の議論は、下記の会員リンク等からご確認いただきたい。
- ○ 法制審議会第178回会議(平成29年2月9日開催)
- ○ 商事法務研究会「会社法研究会」の審議状況
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○『旬刊商事法務』関係記事
金子修「民事基本法制の立法動向等」商事法務2122号17頁
竹林俊憲「会社法制に関する展望」商事法務2122号24頁
田原康雅「ディスクロージャー・企業会計等をめぐる動向」商事法務2123号11頁 -
○『NBL』関係記事
竹林俊憲「会社法制に関する展望」NBL1089号47頁