日本組織内弁護士協会、2017年6月30日時点の企業内弁護士の人数を公表
−−前年比224人増加して1,931人に−−
日本組織内弁護士協会(JILA)は7月31日、2017年6月30日時点の企業内弁護士の人数を公表した。JILAは、組織内弁護士およびその経験者によって2001年8月1日に創立された任意団体で、「組織内弁護士の現状について調査研究を行うと共に、組織内弁護士の普及促進のための様々な活動」を行っているものである。
今回の集計における「企業内弁護士」とは、「日本法に基づく会社、外国会社の日本支社、特殊法人、公益法人、事業組合、学校法人、国立大学法人等、国と地方自治体以外のあらゆる法人に役員又は従業員として勤務する弁護士のうち、当該法人の所在地を自身の法律事務所所在地として弁護士登録している者をいう」とされている。
以下、集計結果の概要を紹介する。
1 企業内弁護士数の推移
2017年6月時点の企業内弁護士の数は1,931人で、前年と比べて224人増(前年比13.1%増)となった。
企業内弁護士数の推移をみると、JILAの設立当初の2001年9月には66人だったが、その後毎年増え続け、2005年5月に123人、2011年6月に587人、2014年6月に1,179人、2015年6月に1,442人、2016年6月に1,707人となっていた。
(1) 弁護士会別企業内弁護士数の推移
2017年6月30日時点の企業内弁護士数を所属弁護士会別にみると、上位は次のようになっている。
- ・ 東京 653人(前年比57人増)
- ・ 第二東京 489人(同75人増)
- ・ 第一東京 459人(同49人増)
- ・ 大阪 126人(同31人増)
- ・ 京都 40人(同5人減)
- ・ 愛知県 36人(同1人増)
- ・ 兵庫県 22人(同7人増)
(2) 修習期別企業内弁護士数の推移
2017年6月時点の企業内弁護士数を修習期別にみると、次のようになっている。
- ・ 60期〜69期 1,434人(前年比187人増)
- ・ 50期〜59期 400人(同33人増)
- ・ 40期〜49期 70人(同2人増)
- ・ 30期〜39期 16人(同増減なし)
2 企業内弁護士の男女別人数
2017年6月時点の企業内弁護士の男女別人数をみると、女性が前年比75人増の764人(全体の39.6%)、男性が前年比149人増の1,167人(同60.4%)であった。なお、2017年6月に弁護士登録されている全弁護士38,930人のうち、女性弁護士は7,170人(全体の18.4%)である。
男女別人数の推移をみると、2001年9月には女性は13人(全体の19.7%)だったが、その後毎年増加して、2009年6月に122人(同34.5%)、2011年6月に229人(同39.0%)、2014年6月に482人(同40.9%)、2016年6月に689人(同40.4%)となっていた。
3 企業内弁護士を多く抱える企業上位20社の推移
2017年6月時点で企業内弁護士を採用している企業は937社(前年比90社増)であった。採用企業数の推移をみると、2001年9月には39社だったが、2007年6月に104社、2009年6月に209社、2013年6月に508社、2016年6月に847社と、増加し続けている。
企業内弁護士を多く抱える企業の上位の推移をみると、次のようになっている。
-
◯ 2017年6月
1位 ヤフー(28人)
2位 野村證券、三井住友銀行、三菱商事(20人)
5位 丸紅、みずほ証券、三菱東京UFJ銀行(15人) -
◯ 2012年6月
1位 三菱商事(16人)
2位 みずほ証券、伊藤忠商事(11人)
4位 SMBC日興証券、ソフトバンクモバイル、パナソニック、三井住友銀行、三井物産、ヤフー(10人) -
◯ 2007年6月
1位 ゴールドマン・サックス証券(9人)
2位 松下電器産業(8人)
3位 日本アイ・ビー・エム、メリルリンチ日本証券(7人)
5位 アメリカンファミリー生命保険、三菱商事、モルガン・スタンレー証券(6人) -
◯ 2001年9月
1位 メリルリンチ日本証券(8人)
2位 ゴールドマン・サックス証券、日本アイ・ビー・エム、モルガン・スタンレー証券(6人)
5位 USBウォーバーグ証券(3人)
- JILA、2017年6月30日時点の企業内弁護士の人数を公表(7月31日)
-
http://jila.jp/material/index.html
-
○ 企業内弁護士数の推移
http://jila.jp/pdf/transition.pdf -
○ 企業内弁護士を多く抱える企業上位20社の推移
http://jila.jp/pdf/company.pdf -
○ 企業内弁護士の男女別人数
http://jila.jp/pdf/analysis.pdf