◇SH1580◇経産省、「統合報告・ESG対話フォーラム」の第1回会合を開催(2018/01/12)

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経産省、「統合報告・ESG対話フォーラム」の第1回会合を開催

--「価値協創ガイダンス」を踏まえた企業と投資家の対話の場--

 

 経済産業省は平成29年12月15日、「統合報告・ESG対話フォーラム」を立ち上げると公表し、同月18日に第1回会合を開催した。

 経産省では、平成29年5月29日に「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス--ESG・非財務情報と無形資産投資--」(以下、「価値協創ガイダンス」)を策定しているところである。本フォーラムは、「価値協創ガイダンス」を踏まえた企業と投資家の対話の場として立ち上げられたものであり、「企業の統合的開示の好事例の分析を行い、その成果を広く公表することにより、企業のESG(環境、社会、ガバナンス)要素も念頭に置いた中長期的な価値向上に資する開示を促進」するとともに、「投資家の投資手法を検討し、優れた投資手法の普及・発展を促進」することで、企業と投資家の対話が深まることを通じた、日本企業の「稼ぐ力」のさらなる向上を目指すこととしている。

 フォーラムには、有識者、企業経営者、機関投資家、資本市場関係者等がメンバーとされているほか(モデレーター=伊藤邦雄・一橋大学大学院商学研究科特任教授)、関係省庁や機関がオブザーバーとして参加しており、必要に応じてメンバーの追加やサブグループでの検討も実施することとしている。

 以下では、経産省が公表したフォーラムの目的の概要、主な論点を紹介する。

 

○ 本フォーラムの目的

(1) 企業の統合的開示の好事例の分析

 「第四次産業革命」が進展する中、企業は、有形資産だけでなく、無形資産(人材や研究開発、知識・ノウハウ、ブランド等)を活用することにより、中長期的な「稼ぐ力」を確保している。また、企業の経営資源には限りがあるという認識に立ち、一部の企業はM&A・事業売却・撤退戦略を含む事業ポートフォリオマネジメントを検討・実施し始めている。

 そのような環境下、企業は経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンス等を投資家に統合的に開示することで、対話を通じて信任を得ることが可能となる。その過程で、自社の経営のあり方を整理し、振り返り、さらなる行動に結びつけていくこともできる。

 価値協創ガイダンスに基づき、投資家との対話に資する統合的開示・対話の好事例(グッド・プラクティス)の検討を行う。

(2) 投資家の投資手法に関する検討

 近年、アセットオーナーやアセットマネージャーは、ESG要素を投資判断や対話・エンゲージメント等のスチュワードシップ活動に組み込み、企業の中長期の成長について関心を寄せている。

 すでにESG要素が投資判断に欠かせない要素であることは市場において明らかになりつつあり、サスティナビリティ(持続可能な社会)への配慮、「責任投資(Responsible Investment)」の機運はますます高まっている。

 そのような環境下、投資家やアナリストは、無形資産の適切な評価や非財務情報を用いた分析を通じて、企業の存続可能性や成長性あるいはリスク判別の精度を高められるという考えから、価値協創ガイダンスの活用を始めている。

 業種・産業特性を考慮しつつ、価値協創ガイダンスをベースとした投資家やアナリストによる企業分析および投資実務(諸外国との比較、今後のアナリスト教育のあり方を含む)、機関投資家におけるスチュワードシップ活動のあり方についての検討を行う。

○ 検討を予定している論点例

 たとえば以下のような論点について議論を行い、企業と投資家の具体的な開示・対話事例を把握・分析し、課題を抽出する。さらに企業や政府に求められる対応について検討を行う。

  1. ・ 統合的開示・対話を通じた企業の情報提供(非財務情報開示等)のあり方
  2. ・ 持続可能な開発目標(SDGs)等で掲げられる目標の経営戦略への組み込み
  3. ・ 統合的開示、非財務情報開示に対する投資家の評価、アナリスト実務(アナリスト教育を含む)のあり方
  4. ・ 機関投資家におけるスチュワードシップ活動のあり方
  5. ・ 上記を踏まえた企業価値向上に資する環境整備等、政策対応の方向性等

 

 

  1. 経産省、「統合報告・ESG対話フォーラム」を立ち上げます(平成29年12月15日)
    http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171215002/20171215002.html
  2. ○ 統合報告・ESG対話フォーラムについて
    http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171215002/20171215002-1.pdf
  3.  
  4. 統合報告・ESG対話フォーラムの開催状況
    http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/economy.html#tougou_houkoku
  5. ○ 第1回配布資料一覧
    http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/tougou_houkoku/001_haifu.html
  6.  
  7. 参考
    SH1212 経産省、「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス」(価値協創ガイダンス)を策定--ESG・非財務情報開示と無形資産投資の促進--(2017/06/06)
    https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=3749514
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