SH4431 最一小判 令和4年4月28日 覚醒剤取締法違反被告事件(山口厚裁判長)

そのほか

最一小判 令和4年4月28日 覚醒剤取締法違反被告事件(山口厚裁判長)

【判示事項】

 強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例

【判決要旨】

 被疑者に対して強制採尿を実施することが「犯罪の捜査上真にやむを得ない」場合とは認められないのにされた強制採尿令状の発付は違法であり、警察官らが同令状に基づいて強制採尿を実施した行為も違法であるが、警察官らはありのままを記載した疎明資料を提出して同令状を請求し、裁判官の審査を経て発付された適式の同令状に基づき強制採尿を実施したもので、その執行手続自体に違法な点はなく、「犯罪の捜査上真にやむを得ない」場合であることについて、疎明資料において、合理的根拠が欠如していることが客観的に明らかであったというものではなく、また、警察官らは直ちに強制採尿を実施することなく被疑者に対して尿を任意に提出するよう繰り返し促すなどしていたなど判示の事情(判文参照)の下では、強制採尿手続の違法の程度はいまだ重大とはいえず、同手続により得られた尿の鑑定書等の証拠能力を肯定することができる。

【参照条文】

 刑訴法1条、99条1項、102条1項、218条1項、222条1項、317条

【事件番号等】

 令和3年(あ)第711号 最高裁令和4年4月28日第一小法廷判決 覚醒剤取締法違反被告事件 破棄自判(刑集76巻4号380頁)

 原 審:令和3年(う)第25号 福岡高裁令和3年4月27日判決
 第1審:令和元年(わ)第1285号 福岡地裁令和2年12月21日判決

【判決文】

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91131

【解説文】

この記事はプレミアム向けの有料記事です
ログインしてご覧ください


タイトルとURLをコピーしました