SH4455 個人情報委、コンビニ交付サービスにおける住民票等誤交付事案に関する資料を公表 池田美奈子(2023/05/25)

取引法務個人情報保護法

個人情報委、コンビニ交付サービスにおける住民票等誤交付事案に関する資料を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 池 田 美奈子

 

1 はじめに

 個人情報保護委員会(以下「委員会」)は、2023年5月10日、コンビニ交付サービスにおける住民票等誤交付事案(以下「本漏えい事案」)について協議した第241回委員会の議事概要、並びに事実関係及び委員会の対応方針等をまとめた資料を公表した。本稿では、本漏えい事案の概略を紹介すると共に、個人データないし特定個人情報[1](以下「個人データ等」)の漏えい等が発覚した際に事業者が法令上講ずべきとされている措置、個人データの委託や共同利用をしている際の実務上のポイントについて概説する。

 

2 本漏えい事案

 ⑴ 事実関係

 2023年3月から5月までの間に複数回にわたり、横浜市、足立区及び川崎市(以下、総称して「本件地方公共団体」)において、マイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアで住民票の写し等の証明書を取得する「コンビニ交付サービス」において、別人の証明書が発行される事態が発生した。本件地方公共団体は、いずれも富士通 Japan 株式会社(以下「富士通Japan」)に対し、証明書の交付に関するシステムの開発・運用を委託しており、本件の誤交付は、いずれも富士通Japanの開発したシステムが関係している。

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(いけだ・みなこ)

岩田合同法律事務所アソシエイト。日本及び米国(NY州)弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2009年University of Michigan Law School修了(LL.M.)。2010年早稲田大学法科大学院修了。約4年間、海事専門法律事務所に所属し、海事案件の経験も豊富に有する。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>
〒100-6315 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング15階 電話 03-3214-6205(代表)

 


個人情報委、個人情報保護委員会(第241回)資料〔コンビニ交付サービスにおける住民票等誤交付事案について〕https://www.ppc.go.jp/aboutus/minutes/2023/20230510/

富士通japan、当社「コンビニ交付」システムに対する要請についてhttps://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/about/resources/news/topics/2023/0509-1.html

 

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