タイ:個人情報保護法(上)
――完全施行から1年を振り返る――
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 中 翔 平
1 はじめに
2022年6月1日にタイの個人情報保護法(「PDPA」)が完全施行されてから、約1年が経過した。もっとも、施行当時は下位規則が未整備の状態であったため、下位規則は施行後に順次制定されることが期待されていた。実際、PDPAが施行されてからこの1年でいくつかの下位規則・ガイドラインが制定され、実務上の運用の方向性が定まりつつある部分も出てきた一方で、重要な点を含めて下位規則の整備が十分に進んでいないというのもまた事実である。本稿では、PDPAの完全施行後に制定された主として事業者に影響のある下位規則・ガイドラインの概要を紹介すると共に、近時のPDPAに関する実務上の対応及び直近で公表された下位規則案の一部を紹介する。
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(なか・しょうへい)
2013年に長島・大野・常松法律事務所に入所。プロジェクトファイナンス、不動産取引、 金融レギュレーション及び個人情報保護の分野を中心に国内外の案件に従事。2020年5月 にUniversity of California, Los Angeles School of Lawを卒業後、2020年12月より当事務所 バンコク・オフィスに勤務。現在は、主に、在タイ日系企業の一般企業法務及びM&Aのサ ポートを中心に幅広く法律業務に従事している。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
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