SH4653 個人情報委、第255回個人情報保護委員会を開催――同委員会において議題とされた改正個人情報保護法の施行状況 北川弘樹(2023/10/11)

取引法務個人情報保護法

個人情報委、第255回個人情報保護委員会を開催
――同委員会において議題とされた改正個人情報保護法の施行状況――

岩田合同法律事務所

弁護士 北 川 弘 樹

 

1 はじめに

 個人情報の保護に関する法律(以下「個情法」という。)に関しては、令和2年、令和3年の各改正法が順次施行され(令和2年改正法は2022年4月までに全面施行、令和3年改正法は2023年4月までに全面施行)、これに伴い、民間事業者や地方公共団体においては改正個情法への対応が求められてきた。

 令和2年個情法改正における主要な変更点としては、漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれが大きい場合の個人情報保護委員会への報告等が義務化されたこと(個情法26条)、個人情報の不適正利用の禁止が明確化されたこと(同法19条)、「仮名加工情報」という新たな情報の枠組みが導入されたこと(同法第4章第3節)、越境移転に関する規制の強化(同法28条)等が挙げられる。より詳細な改正法の概要は、以下の図表に記載のとおりである。

 

出典:個人情報保護委員会事務局「改正個人情報保護法の施行状況について」(2023年9月27日)

 

 他方、令和3年個情法改正は、国の行政機関を対象としていた行政機関個人情報保護法、各地方公共団体を対象としていた個人情報保護条例等を個人情報保護法に一元化し、法体系の統合と一本化を図るものであった。

 2023年9月27日に開催された第255回個人情報保護委員会では、以上の改正個情法の施行状況が議題とされたので、同委員会における配布資料に基づき、その内容を説明する。

 

2 令和2年改正法の施行状況について

 第255回個人情報保護委員会における配布資料では、令和2年改正法の施行状況として以下の6点が報告されている。

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(きたがわ・ひろき)

岩田合同法律事務所弁護士。2015年東京大学法学部卒業。2017年弁護士登録。訴訟・紛争解決、人事労務分野など企業法務全般を取り扱う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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