SH4671 「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」による報告書が取りまとめ・公表――安衛法令のすみやかな見直しを提言、個人事業者・中小企業事業主など労働者以外の業務上災害防止へ (2023/11/01)

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「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」による報告書が取りまとめ・公表
――安衛法令のすみやかな見直しを提言、個人事業者・中小企業事業主など労働者以外の業務上災害防止へ――

 

 厚生労働省は10月27日、「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」(座長・土橋律東京大学大学院工業系研究科教授)の報告書が取りまとめられたとし、これを公表した。

 検討会は2022年5月13日、「労働者以外の者も含めた業務上の災害防止を図るため、学識経験者、労使関係者による検討会を開催し、個人事業者等に関する業務上の災害の実態把握、実態を踏まえ災害防止のために有効と考えられる安全衛生対策のあり方について検討する」として初会合が開催。個人事業者・一人親方・フリーランス、中小企業事業主などについて、これらの者の業務上災害発生状況・健康管理状況・就業状況を踏まえ、原則としては労働安全衛生法(以下「安衛法」という)1条が「職場における労働者の安全と健康を確保する」と規定する安衛法令について、具体的に「労働者以外の者も含めた業務上の災害防止を図る」見地からの検討がなされた。背景として(i)いわゆる建設アスベスト訴訟において最一小判令和3・5・17民集75巻5号1359頁が、国が「規制権限を行使しなかったことは、屋内建設現場における建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者のうち、安衛法2条2号において定義された労働者に該当しない者との関係においても、安衛法の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、著しく合理性を欠くものであって、国家賠償法1条1項の適用上違法である」と判示したこと、(ii)その後の法令改正においても改正の対象外となり「今後の検討事項」とされた課題(2021年12月13日開催・第142回労働政策審議会安全衛生分科会における資料3「建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について」32頁以下)が残されていたことなどがある。

 今般の検討会では事務局を厚労省労働基準局安全衛生部とし、大学・大学院教授ら6名、建設・陸運・フリーランス団体関係者(安全対策セクションなどを含む)6名、労働組合関係者2名など計16名の参集者において本年10月2日までに計15回の会合が開かれた。この間、2022年6月~10月の5回の会合では関係団体などへのヒアリングを集中的に行っている。以後、自由討議および議論の整理を経て、2023年9月21日開催・第14回会合では原型となる「報告書案」が示されていた(別添1および2の計2頁を含めて全38頁建て)。

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厚労省、「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」報告書を公表    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36009.html

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