SH4700 個人情報委、「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」を公表 伊東夏帆(2023/11/22)

組織法務取引法務経営・コーポレートガバナンス個人情報保護法

個人情報委、「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 伊 東 夏 帆

 

1 はじめに

 個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)7条1項に基づき策定されている「個人情報の保護に関する基本方針」(平成16年4月2日閣議決定、令和4年4月1日一部変更)では、PIA[1](個人情報保護評価またはプライバシー影響評価)や、CPO(最高プライバシー責任者)ないしDPO(データ保護責任者)等の個人データの取扱いに関する責任者(以下「責任者」という。)の設置によって、データガバナンス体制を構築することの重要性が指摘されている。

 令和5年11月9日、個人情報保護委員会は、事業者におけるより実効的な取組み・活動につなげることを目的として、責任者・責任部署の設置に関する実例をまとめた資料(以下「本資料」という。)を公表した。

 本稿では、本資料の概要について紹介する。

 

2 責任者の個人情報保護法上の位置づけ

 個人情報保護法上、個人情報取扱事業者に対し責任者を設置することを義務付ける規定は存在しないが、個人情報取扱事業者は、個人データの安全管理措置[2]を講じなければならず(個人情報保護法23条)、当該措置のうち組織的安全管理措置として「組織体制の整備」を行うことが求められており、その手法の一つに「個人データの取扱いに関する責任者の設置及び責任の明確化」がある(個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)10-3(1))。

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(いとう・なつほ)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2017年中央大学法学部卒業。2019年弁護士登録。訴訟・紛争解決、ジェネラルコーポレート、景品表示法分野、薬機法分野等の企業法務全般を取り扱う。

 

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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個人情報委、個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/dpo_setchi_zirei.pdf

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