知的財産戦略本部、「AI時代の知的財産権検討会(第4回)」を開催
――これまでの議論の整理と意見募集の結果――
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 井 上 乾 介
弁護士 藤 井 駿太郎
弁護士 福 山 和 貴
1 はじめに
内閣府知的財産戦略本部が設置する「AI時代の知的財産権検討会」(以下「本検討会」という。)は、2023年12月11日に第4回[1]が開催された。本検討会は、2023年10月4日に第1回[2]、同年10月18日に第2回[3]、同年11月7日に第3回[4]が開催されてきており、第4回では、これまでの議論に関する論点整理案[5](以下「本整理案」という。)および同年10月5日から11月5日までの間に行われた意見募集[6]の結果[7](以下「本意見募集結果」という。)が示された。
本稿では、本整理案および本意見募集結果の概要を紹介する。
2 本整理案および本意見募集結果の概要
⑴ 著作権との関係
(ア)本整理案の概要
現行の知的財産制度の整理として、AIの学習段階における情報解析では、著作権法30条の4により、原則として著作権者の許諾なく、著作物の利用が可能であるが、クリエイターの懸念の払拭、AIサービス事業者やAIサービス利用者の侵害リスクを最小化できるよう論点整理する必要がある、とした[8]。
(イ)本検討会での意見および本意見募集結果の概要
著作権とAIとの関係について、本検討会および本意見募集結果における主な意見は次のとおりである[9]。
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(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(ふじい・しゅんたろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所名古屋オフィスアソシエイト。2013年中央大学法学部卒業。2015年東京大学法科大学院卒業。2016年弁護士登録(2019年より愛知県弁護士会)。主な業務分野は、IT、個人情報保護法など。
(ふくやま・かずき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。一橋大学法学部・一橋大学法科大学院卒業。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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