SH4553 個人情報保護委員会、令和4年度の年次報告を公表 後藤未来/伊藤雄太(2023/07/20)

取引法務個人情報保護法

個人情報保護委員会、令和4年度の年次報告を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 後 藤 未 来

弁護士 伊 藤 雄 太

 

1 はじめに

 個人情報保護委員会は、法令に基づき、毎年、国会に対し所掌事務の処理状況について報告し、その概要を公表することとされている。これに基づき、令和5年6月9日、同委員会は令和4年度の年次報告(以下「本年次報告」という。)をまとめ、その概要を公表した[1]。本年次報告では、委員会の組織・所掌事務について概観したうえで、①個人情報等に関する事務、②マイナンバー法に関する事務、③個人情報保護法・マイナンバー法等に共通する事務、④国際協力についての報告がなされている。以下、これらの内容を概観する。

 

2 個人情報等に関する事務

 個人情報等に関する事務に関しては、改正法についての周知、従前は行政向け民間向けに分かれていた個人情報保護制度が一元化[2]したことへの対応に関する記載に加え、特に、個人情報の漏洩等の事案[3]への対応について重点的に記載されている。

 これによると、令和4年度における個人データの漏洩等の報告[4]は7,685件であった。前年度の5,846件に比して件数が増加している、

 報告された漏洩等の事案のうち、個人情報保護委員会が報告徴収を行ったものが81件、立ち入り検査が1件、指導および助言を行ったものが115件であった。そのうち、重大なものとして、以下の例などが挙げられている。

この記事はプレミアム向け有料記事です
ログインしてご覧ください

(ごとう・みき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。

 

(いとう・ゆうた)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2017年東京大学法学部卒業。2019年東京大学法科大学院卒業。2020年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

 


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

タイトルとURLをコピーしました