金融庁、損害保険ジャパン・SOMPOホールディングスに
対して業務改善命令を発出
――ビッグモーターの保険金不正請求への対応を巡り不適切な企業文化、
監査機能等不全などを指摘――
金融庁は1月25日、損害保険ジャパン(本店・東京都新宿区、SOMPOホールディングスの100%子会社)およびSOMPOホールディングス(本店・東京都新宿区、東証プライム市場上場)に対して同日、業務改善命令を発出したと発表した。
本件行政処分はビッグモーター(本店・東京都多摩市〔2023年10月に東京都港区から変更〕、非上場)の自動車保険金不正請求事件に端を発する。本事件を巡ってはビッグモーターにおいて2023年7月5日、特別調査委員会による調査報告書を受領したと発表。同社と利害関係を有しないとする弁護士計3名による本「調査報告書」(同年6月26日付)を踏まえた国土交通省のヒアリング・立入検査・聴聞の結果、同省では10月24日、ビッグモーターの34事業所に対して全国の8地方運輸局が道路運送車両法違反による「認証工場の業務に係る事業停止」「(車検を行う)指定工場の業務に係る指定取消し・業務停止・文書警告」といった各行政処分を行ったと発表するに至った。財務省関東財務局においても11月24日、ビッグモーターおよび同社子会社2社に対して保険業法に基づき、11月30日をもって損害保険代理店としての登録を取り消す命令を発出している。
金融庁は今般、(A)損害保険ジャパン(以下「損保ジャパン」という)に対する保険業法132条(業務の停止等)1項に基づく業務改善命令、(B)SOMPOホールディングスに対する保険業法271条の29(保険持株会社に対する改善計画の提出の要求等)1項に基づく業務改善命令を発出。(A)では具体的な措置として「今回の処分を踏まえた経営責任の明確化」など計6点を、(B)では同様に経営責任の明確化ほか「保険持株会社として、子会社である保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するための態勢の構築(損保ジャパンの内部統制の十分性・実効性を適時・適切に把握し適切な経営管理を行うための方策を含む)」など計4点を求める。併せて、たとえば(A)に絡んでは(1)問題の所在として①損保ジャパンとビッグモーター(以下「BM社」という)との関係、②不適切な保険金請求事案について、(2)態勢上の問題として①個別の問題における態勢上の問題、②いわゆる「3線管理態勢」の機能不全を指摘したものである。
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金融庁、損害保険ジャパン及びSOMPOホールディングスに対する行政処分について
https://www.fsa.go.jp/news/r5/hoken/20240125/20240125.html
SOMPOホールディングス・損害保険ジャパン、金融庁による行政処分(業務改善命令)について
https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/news/2024/20240125_1.pdf
SOMPOホールディングス・損害保険ジャパン、金融庁による行政処分(業務改善命令)の概要と再発防止の方向性
https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/news/2024/20240126_2.pdf?la=ja-JP
SOMPOホールディングス、代表執行役および執行役の異動に関するお知らせ
https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/news/2024/20240126_1.pdf?la=ja-JP